研究課題
LSIの大規模化に伴い、LSIチップが正常に動作するか否かを確認するテスト.検証の重要性が著しく増している。スキャンパステストはLSI内部のレジスタをLSI外部から直接、観測・制御するテスト容易化技術の1つで、扱いが容易であるためにLSIの検証に必須である。一方、スキャンパステストを利用して暗号回路の秘密鍵を復元するスキャンベース攻撃が報告されている。暗号LSIから暗号処理中のスキャンデータを取得.解析することで、攻撃者は暗号回路の秘密鍵を復元できるが、報告されているスキャンベース攻撃は暗号処理中のスキャンデータを取得できるという前提を拠り所にしており、実際のLSIからスキャンデータを取得する方法について言及していなかった。そのため、スキャンベース攻撃が現実に脅威であるか否かは明確ではなかった。そこで、平成22年度は、サイドチャネル攻撃用標準評価基板であるSASEB0-GIIを使用したスキャンベース攻撃の実機実験に関する研究を主として行ったことに特徴がある。SASEBO-GIIのFPGAにAES暗号回路とテスト用のロジック解析回路を組み込み、暗号処理中の内部信号を取得・解析することで、FPGAに実装された暗号回路の秘密鍵を復元できることを示した。今後の課題としては、AES以外の暗号回路に対して同様に実機実験を行いスキャンベース攻撃の有効性を確かめること、ならびに、ASIC上のスキャンパステストから取得したスキャンデータを使った実機実験を行うことが挙げられる。
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IPSJ Trans.on System LSI Design Methodology
巻: vol.4 ページ: 47-59
IEICE Trans.on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences
巻: vol.E93-A, no.12 ページ: 2481-2489