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2011 年度 実績報告書

超低エネルギーイオン注入によるシリコン半導体極浅接合形成実用化技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21560381
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

山本 和弘  独立行政法人産業技術総合研究所, 計測フロンティア研究部門, 主任研究員 (90358292)

キーワードイオン注入 / シリコン / ボロン / 超低エネルギーイオン / 極浅接合
研究概要

シリコン半導体デバイスの高集積化に伴い将来は10mm以下の極浅ドーヒン部層の形成が必要である。従来法である数MeV~数十keVのイオンエネルギーを用いたイオン注入法ではシリコン結晶中に多量の原子空孔および格子間原子がなだれ現象的に形成されてしまい、ターゲットであるシリコン半導体の結晶性が著しく劣化する。結晶性の回復と導入したドーパントの活性化のためには熱処理が必要であるが、ドーパントの拡散が生じて極浅ドーピングプロファイルを保つことが困難となる。特にp型ドーパントであるボロンは原子半径が小さいためにシリコン結晶中を拡散しやすく、10mmの極浅ドーパント層の形成が困難である。本研究では、上記問題を解決するために500eV以下の超低エネルギーボロンイオンを用いた超低エネルギーイオン注入技術を開発した。昨年度までの検討から、イオンエネルギーが300eVの注入および注入後の800℃での熱処理による活性化プロセスによりシート抵抗が最小値4kΩが得られた。透過型電子顕微鏡により高分解能断面観察を行ったところシリコン結晶格子が明瞭に観察され、従来法とは異なり、超低エネルギーイオン注入ではダメージ層形成が抑制される事がわかった。エネルギー損失12.3eVの電子を用いてエネルギーフィルターTEM像を観察したところ、表面近傍にコントラストが観察された。このコントラストのラインプロファイルから、層の厚さは表面から約15mmであった。これは表面近傍に密度が異なる層が形成された事を示唆し、超低エネルギーイオン注入によりボロンがシリコン格子中に導入されたと考えられる。SIMSによりシリコン表面からの深さ方向分析を行ったところボロン注入層の厚さはおよそ15nmであり、エネルギーフィルターTEM像で観察された表面コントラストはボロン注入層である事が確認された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] x-TEM of shallow doping layer of Si by ultra-low energy boron ion implantation2011

    • 著者名/発表者名
      K.Yamamoto
    • 雑誌名

      Abstracts of the Microscopy Conference 2011 in Kiel

      巻: M2 ページ: 1-2

    • 査読あり
  • [学会発表] 低エネルギーイオン注入によるボロン極浅接合層のTEM観察2011

    • 著者名/発表者名
      山本和弘
    • 学会等名
      日本顕微鏡学会第67回学術講演会
    • 発表場所
      福岡県福岡国際会議場
    • 年月日
      2011-05-16

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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