研究概要 |
21GHz帯衛星放送システムの実現に不可欠な、(1)高速大容量化技術、(2)降雨減衰による品質劣化対策技術のそれぞれについて実験装置整備と降雨減衰測定及びシミュレーション検討を実施した。 (1)高速大容量化技術:シミュレーションソフトウエアMatlabを用い、大容量化を目指した多値変調方式16QAM、16APSKの回線品質シミュレーションを直交偏波共用回線を前提として実施した。この回線の品質劣化要因として降雨減衰及び交差偏波識別度(XPD)劣化を想定した。この際、降雨減衰とXPDの関係を仮定する必要があるが、この関係に及ぼす雨滴粒径分布の影響について理論検討を実施し、その結果を学会発表した。 (2)品質劣化対策技術:これまで整備した高速インターネット衛星(WINDS)の18GHz信号受信システム及び36GHz放射計と、H22年度に整備した10GHz放射計により、簡易型2周波天空雑音測定システムと同じ方向の18GHz衛星電波受信システムを完成させた。また、平成22年度末には、高速に降雨強度を測定するためのレーダ型降雨強度測定装置を整備した。これらにより予定された測定系の整備は終了した。これら測定系の一部を用いて、同一方向の降雨減衰及び2周波数天空雑音の同時測定を2,3事例実施した。これらの測定結果を用いて、2周波天空雑音測定結果から正確に任意の周波数の降雨減衰を推定するアルゴリズムを検討し、学会発表した。降雨減衰対策技術の1つであるタイムダイバーシチ技術について解説論文を発表した。
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