研究概要 |
1. 衛星搭載降雨レーダデータの解析とデータベースの構築 熱帯降雨観測衛星(TRMM)搭載降雨レーダデータの7年間分の降雨強度プロファイルデータ(2A25)を統計的に解析することにより,日本全国各地の地表面降雨強度データについてその降雨強度累積分布累積分布が1mm/h以上の領域でおおむね細矢のM分布で良く近似できることを明らかにした. 2. 地上観測降雨強度データの解析とデータベースの構築 転倒升型雨量計で計測される1分値データから1分間高強度の累積分布を求める新しい均し処理法を提案し,従来提案されていた均し処理の手法に比べて,高い精度で降雨強度累積分布が得られることを明らかにした. 3. 衛星回線の降雨減衰測定システムの整備と降雨減衰データの取得 降雨減衰の空間相関特性を利用した衛星軌道ダイバーシティ法について実験的に検証するために,衛星方位角の異なる5つの放送衛星を1地点で受信するシステムを整備し,降雨減衰に対するダイバーシティ特性の測定を開始した.約10ヶ月に得られたデータの初期的な解析により,軌道ダイバーシティの効果は,衛星方位差が大きくなるにつれて増大するが,方位差が40度以上ではダイバーシティ効果が飽和傾向にあることが明らかになった.
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