研究概要 |
前年度の定式化に基づき,超小形アンテナを評価するための計算プログラムを作成・改善した.このプログラムは次の特長をもつ,1)プログラムはアンテナの大小にかかわらず使用できるようになっている.2)任意の形状からなる線状アンテナに適用できる.以下に研究成果を示す. 1)解析結果 (a)小形スパイラルを形成する過程における入力インピーダンスの変化を解析した.使用したアンテナの占有体積は0.0362波長×0.0346波長×0.0354波長と極めて小さい.アーム折曲に伴い共振周波数が、高域に推移することを明らかにした. (b)平面形状スパイラルを直角に折り曲げた場合の放射特性を検討した.使用したスパイラルアンテナの全長は,0.28波長であり,最外のアームの一辺は約0.02波長,高さは0.016波長と極めて小さい.折り曲げによる放射パターンへの影響は少ない.共振周波数が高域に移動する,ことを明らかにした. 2)実験結果 上記のプログラム作成およびアンテナ解析と並行し,超小形アンテナを試作した.実験値と理論値との良い一致が得られ,理論解析の妥当性が確認できた。新規に中心で折り返された変則のスパイラルアンテナの実験を行った.スパイラルの外周は約0.142波長と小形化されている.アンテナ高が約0.04波長の時,約10Ωの抵抗成分が得られる.放射パターンは無指向性を示し,直交偏波は-20dB以下であり,極めて低いことを明らかにした. 以上の得られた成果を国内学会(電子情報通信学会)で公表した.
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