研究課題
平成21年度は、肝臓癌自動検出システム(コンピュータ支援画像診断(CAD)システム)に組み込むために、マルチスライスCT画像から肝臓癌を画像認識してその3次元領域を抽出することを目的にした、人工ニューラルネットワークのアルゴリズムの開発を中心に行った。また、知識工学を応用して医学知識を用いて画像診断支援を行うことを目的にした知識情報処理機構の開発も平行して行った。以下に研究の概要を述べる。1. 肝臓癌の医用画像認識を目的にした人工ニューラルネットワークアルゴリズムの開発。肝臓癌の自動検出を目的にしたCADシステムの診断精度を向上させるためには、実用的で高精度な人工ニューラルネットワークのアルゴリズムが必要である。本研究で開発した人工ニューラルネットワークのアルゴリズムでは、医用画像データから最適なニューラルネットワーク構造を自動的に自己組織化する能力を備えている。階層構造の層の数、各層のニューロン数、最適なニューロンの構造などの構造パラメータは、予測誤差評価基準を用いて自己選択される。さらに、有用な入力変数の自己選択機能を備えている。ニューラルネットワーク構造は進化論的計算法に基づいて自己組織化される。開発したアルゴリズムを、肝臓癌の画像認識に応用して、肝臓癌の3次元領域を精度よく抽出できることを確認した。また、従来形人工ニューラルネットワーク(Radial Basis Function (RBF)ネットワーク)のアルゴリズムを改良して、改良形RBFネットワークを開発し、2つのアルゴリズムの比較を詳しく行い、肝臓癌を対象としたCADシステムにより適した人工ニューラルネットワークのアルゴリズムについて研究を行った。2. 画像診断支援を目的とした知識情報処理機構の開発肝臓癌の自動検出を目的にしたCADシステムに組み込むための知識情報処理機構の開発を行っている。また、知識データベースに組み込むための、肝臓癌を自動検出するための医学知識についても検討を行っている。CADシステムの診断精度を向上させるためには、実用的で高精度な人工ニューラルネットワークのアルゴリズムと、医学知識をCADシステムに活用することが可能な知識情報処理機構を組合わせることが必要であるので、次年度で2つのシステムの組み合わせを行う予定である。
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Proceedings of the 41st ISCIE International Symposium on Stochastic Systems Theory and Its Applications (In Press)
Proceedings of the Fifteenth International Symposium on Artificial Life and Robotics 2010
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The Journal of Artificial Life and Robotics Vol.14
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