研究課題/領域番号 |
21560428
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
上野 淳二 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (60116788)
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研究分担者 |
近藤 正 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (80205559)
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キーワード | 人工ニューラルネットワーク / コンピュータ支援診断 / 知識工学 / マルチスライスCT |
研究概要 |
本年度は、昨年度に引き続いて、知識工学を応用して医学知識を用いて画像診断支援を行うことが可能な知識情報処理機構の製作を行い、医用画像認識のための新しい人工ニューラルネットワーク(GMDH-type Neural Network)のアルゴリズムとの組み合わせを行い、3次元医用画像データを対象にしたコンピュータ支援画像診断(CAD)システムの製作を行った。 本研究で開発するCADシステムは、大きく分けて2つの部分から構成されている。1つは知識工学を応用して医学知識を用いて画像診断支援を行うことが可能な医学知識情報処理機構、もう1つは、多列検出器型から得られる3次元画像データを処理して対象となる臓器領域を画像認識して異常箇所を抽出するための人工ニューラルネットワークスによる3次元医用画像認識システムである。本年度は昨年度に引き続き医学知識を用いて画像診断支援を行う医学知識情報処理機構の開発を中心に行った。医学知識としては、解剖学的知識や臓器に関する形態的情報(位置、大きさ、形状など)、病気(肝臓癌)による画像の変化に関する情報である。対象の肝臓癌では検出のために造影検査が必要で、肝臓癌の血流動態の特徴を利用して診断する。一般に肝臓癌は造影早期に腫瘍が造影剤に濃染し、造影後期には造影剤の洗い出しにより周囲肝実質に比し造影効果が低くみられるという特徴がある。これらの医学知識などを知識データベースに蓄えて、コンピュータで画像診断支援を行う場合に活用できる。本研究で開発する人工ニューラルネットワークは、対象となる医用画像の特徴に最も適した画像特徴量を自己選択させる機能を持ち、対象となる医用画像の特徴に最も適したニューラルネットワークス構造を自己選択させることができる。このアルゴリズムの改良も昨年に引き続いて行った。そして、より実用的で使いやすい人工ニューラルネットワークアルゴリズムを開発して医学知識情報処理機構と組み合わせることにより、診断精度の高いCADシステムの開発を試みた。
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