研究課題
本年度は、知識工学を応用して医学知識を用いて画像診断支援を行うことが可能な知識情報処理機構と、医用画像認識のための新しい人工ニューラルネットワーク(GMDH-type Neural Network)のアルゴリズムとを備えた、コンピュータ支援画像診断(CAD)システムを用いて、いくつかの症例に適用して肝臓癌の画像解析を行った。本研究で開発したCADシステムは、大きく分けて2つの部分から構成されている。1つは知識工学を応用して医学知識を用いて画像診断支援を行うことが可能な医学知識情報処理機構、もう1つは、多列検出器型から得られる3次元画像データを処理して対象となる臓器領域を画像認識して異常箇所を抽出するための人工ニューラルネットワークスによる3次元医用画像認識システムである。本年度はこのCADステムを用いて肝臓癌の画像解析を行った。個々で使用する医学知識としては、解剖学的知識や臓器に関する形態的情報(位置、大きさ、形状など)、病気(肝臓癌)による画像の変化に関する情報である。また、本研究で開発した人工ニューラルネットワークは、対象となる医用画像の特徴に最も適した画像特徴量を自己選択させる機能を持ち、対象となる医用画像の特徴に最も適したニューラルネットワークス構造を自己選択させることができる。本年度は、これらの機能を備えたCADシステムを、主にX線CTから得られた医用画像に応用して画像解析を行った。そして、いくつかの症例に適用して、CADシステムの問題点を抽出し、CADシステムの改良やニューラルネットワークアルゴリズムの改良を行い、医学知識情報処理と組み合わせることにより、診断精度の高いCADシステムの開発を試みた。
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