外部共振器型半導体レーザがらの平行光を2つの円筒レンズで線状平行光とし、ビームスプリッタで2つの光に分け、それぞれを物体光および参照光とした。測定物体は内径3mm、長さ3.5mmの流体軸受であり、円筒内面に深さ5~6μmの溝が円周方向に対してV字型に刻まれていた。この円筒内面の長さ方向に沿っての1つの直線をx軸とした。幅1mmの平面状の物体光はx軸を平面内に含み、x軸に対して角度θ=0.63radで円筒物体に斜め入射させた。x軸上の溝形状が円筒内面からの反射光の位相に反映されるように、焦点距離50mmのレンズの焦点面に、すなわち反射光の空間スペクトル面上に幅200μm、長さ1mmのスリットを置いた。スリット長さ1mmによって円筒内面から正反射方向付近に反射する光を取り出し、およびスリット幅200μmによって円周方向に対し3μmの幅から反射する光を取り出した。このような空間周波数フィルタリングを含むアフォーカル結像系を用い、光検出器である2次元CCDイメージセンサ面上に反射光の像面光場を形成し、参照光と干渉させ干渉信号を得た。正確に干渉信号の位相を検出するために、圧電素子により正弦波振動しているミラーによって参照光に正弦波位相変調を与えた。干渉信号の位相を、異なる2つの波長λ_1=783nmとλ_2=763nmで検出することによって、等価波長24μmに対する位相分布が得られ、深さ5~6μmのx軸上のV字型の溝形状を測定することができた。測定点間隔は8.6μm、測定点数は150点であった。x軸上で0.5mm程度離れた2つの溝形状を測定することができ、その繰り返し測定精度は0.3μm以下であった。
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