研究課題
本研究では、EBG(Electromagnetic Band Gap)構造を持つ薄板状の電波吸収体(EBG電波吸収板)を用いて、吸収される電波強度の板面上での2次元分布を計測することを目的としている。本年度はまず、EBG構造に高周波電波(平面波)が斜めに入射した場合、どのように吸収されるかを解析した。理論式及び電磁界シミュレーションに基づいてTE入射及びTM入射の場合の反射率(吸収量)を解析し、吸収周波数及び吸収量の周波数特性を評価した。59×49cmの大型EBG板を試作して電波暗室にて斜め入射電波に対する反射特性を計測した。理論解析、シミュレーション及び計測結果には多少の差異が見られたが、これは基板の損失を正確に考慮できていないためであると考えられる。また、EBG構造に高周波電波(球面波)が入射したときの吸収量を評価するために、入射球面波を異なる入射角を持つ多数の平面波に展開し、各々の平面波に対する反射率を考慮して再合成することで、球面波の反射・吸収特性を計算する手法を検討した。ここでは誘電体による電波の反射・吸収特性に対して、本手法の基本的な有効性を確認した。今後は本手法をEBG電波吸収板に適用する必要がある。さらに、EBG電波吸収板の裏面に、従来の電波強度を計測する検出器に加え、隣り合う計測点間の電波の位相差を検出するための回路を付加することで、高周波電波(平面波)の到来方向を計測できるEBG電波吸収板を試作した。電波暗室にて2GHzの電波の到来方向推定実験を行い、ほぼ理論通りの性能を得られることを確認した。
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Proc. XXX URSI General Assembly and Scientific Symposium
巻: (CD-ROM) ページ: 4
DOI:10.1109/URSIGASS.2011.6050776
IEICE Transactions on Communications
巻: E94-B ページ: 2306-2315
10.1587/transcom.E94.B.2306
http://reg.is.t.kanazawa-u.ac.jp/study/visual/top.html