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2009 年度 実績報告書

自動車の排気音を用いたリアソナーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21560454
研究機関近畿大学

研究代表者

中迫 昇  近畿大学, 生物理工学部, 教授 (90188920)

キーワード排気音 / リアソナー / 定在波 / パワースペクトル / 距離スペクトル / リニアチャープ音 / 推定距離の補正 / マイコン化
研究概要

本研究の目的は、自動車の消音管(マフラー)から出る排気音を用いて、自動車の後方にある障害物を検知するためのリアソナーを実現することにある。すでに今年度までに、可聴音域での定在波を用いた距離推定については、送信音としてインパルス音、(振幅が一様、位相がランダムな)帯域雑音、白色雑音について有用性を確認している。
今年度は以下のような成果が得られた。
1.リニアチャープ信号を送信音とした場合についても、同じ原理により距離推定が可能であることを理論的および実験的に示した(英慎平他、電気学会論文誌C,129巻,pp.2027-2033)。これにより、リニアチャープ信号であれば、ほぼリアルタイムに距離推定が可能であり、マイコンへの実装も可能と思われる。
2.従来、推定値は常に真値より少し小さい値が得られた。これはスピーカボックスの物理的大きさによるものである。この問題点を改善するために、スピーカ-対象物-マイクの幾何学的配置を考慮して推定値の補正を行なった(N.Nakasako et al., Proc. of ITC-CSCC 2009(pp.580-583), S.Hanabusa et al., Proc. of APSIPA ASC2009(pp.237-240)。これにより、自動車のマフラーなどの音源を利用する場合についても、距離の推定値の補正が可能と思われる。
3.最終的な目標が実音場への応用であることを考慮して、予備実験を多数回行った。そのため、マイクロホンアンプ、ワークステーションなどをフル活用した。また、観測データの採取、データ整理などでは、アルバイトが大いに活躍してくれた。現在、音声や環境音でも距離推定ができないか確かめている段階であり、さらに提案手法をマイコンに実装できないか試作中である。
以上の成果を踏まえて、平成22年度以降の自動車の排気音を用いたリアソナーの開発につなげたい。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 可聴音リニアチャープ信号の干渉を利用した距離推定法2009

    • 著者名/発表者名
      英慎平
    • 雑誌名

      電気学会論文誌C部門 129

      ページ: 2027-2033

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Distance Estimation and Compensation Method Using Band-limited Transmitted Wave with Uniform Amplitude and Random Phase Characteristics2009

    • 著者名/発表者名
      N.Nakasako
    • 雑誌名

      Proc.of the 24th International Technical Conference on Circuits/Systems, Computers and Communications

      ページ: 580-583

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Correction Method of Estimated Distance Using Geometrical Information on Sound Source and Microphone2009

    • 著者名/発表者名
      英慎平
    • 雑誌名

      Proc.of 2009 Asia-Pacific Signal and Information Processing Association, Annual Summit and Conference

      ページ: 234-237

    • 査読あり
  • [学会発表] 可聴音域における定在波を用いた0mから測定可能な距離推定法 ~帯域ガウス雑音の利用~2010

    • 著者名/発表者名
      永島侑佳
    • 学会等名
      電子情報通信学会応用音響研究会
    • 発表場所
      関西大学(吹田市)
    • 年月日
      2010-01-26
  • [学会発表] 可聴音の送信波と反射波の位相干渉に基づく距離推定~送信音および測定系の周波数-振幅特性の影響除去の一試み~2009

    • 著者名/発表者名
      中迫昇
    • 学会等名
      電子情報通信学会応用音響研究会
    • 発表場所
      県立広島大学(広島市)
    • 年月日
      2009-11-19
  • [学会発表] 定在波理論に基づく白色雑音入力下の距離推定(送信音および測定系の周波数-振幅特性の除去による計測回数の低減)2009

    • 著者名/発表者名
      中迫昇
    • 学会等名
      日本音響学会研究発表会
    • 発表場所
      日本大学工学部(郡山市)
    • 年月日
      2009-09-16
  • [学会発表] 可聴音の送信波と反射波の位相干渉に基づく距離推定の基礎的検討(測定系の周波数-振幅特性の除去)2009

    • 著者名/発表者名
      英慎平
    • 学会等名
      日本音響学会研究発表会
    • 発表場所
      日本大学工学部(郡山市)
    • 年月日
      2009-09-15

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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