平成21年度の理論的な研究実績及び理論の実証実験の結果は以下のとおりである。 1)船舶の連続時間非線形モデルに対する状態変数変換と入力変換を適用により、船舶モデルを2重積分器型に変形する。次に、連続時間フォーメーション制御理論を適用することにより、全駆動船舶モデルの連続時間フォーメーション制御則の設計法を導いた。 2)設計した連続時間フォーメーション制御則のサンプル値実装(emulation)により非線形サンプル値全駆動船舶に対するフォーメーション制御則の設計法を構築した。 3)船舶の連続時間フォーメーション制御系設計と同様に、船舶の非線形サンプル値全駆動モデルのオイラー近似モデルに状態変数変換と入力変換を適用する。次に、離散時間フォーメーション制御理論を適用することにより、非線形サンプル値全駆動船舶に対し、直接的に離散時間フォーメーション制御則を設計できることを示した。 4)設計したフォーメーション制御則の性能をシミュレーション等により評価した。特に、連続時間モデルに基づく設計法とオイラー近似モデルに基づく設計法による制御則の性能の比較、特に適用可能はサンプリング周期の長さ、を詳細に行った。 5)設計制御則の実証実験のための共同研究が所有する実験船のモデリングとパラメータ同定のための系統的な決定方法を企業の研究者と議論した。また、一部のパラメータの同定法と船舶に加わる自然外乱(波・風)のクラスの分類と実用的な同定方法を議論した。
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