研究概要 |
これまで主として電動自転車のペダリングへの適用を念頭に研究してきたアシスト制御法の研究をまとめ,論文「周期運動に対するエネルギ効率に優れたパワーアシスト制御法の検討」(システム制御情報学会論文誌Vol.25,No.2,pp.28-38(2012))として出版した.同設計理論の実験による検証については,国際会議IEEE ICIT(Mar.19-21,2012,Athens,Greece)で発表した.同様のアイデアは,他の周期運動にも適用可能である.その一例として規則向波中を航行.する船舶のエンジン制御への応用を考え,第12回計測自動制御学会制御部門大会(2012/3/14-16,奈良)にて発表した.この結果の論文化にも着手している.周期運動と関わりの深いむだ時間を含む系の状態予測制御の安定解析に関する論文(システム制御情報学会論文誌Vol.24,No.12,pp.296-298(2011)),および画像情報の伝達遅れを含む視覚フィードバック制御系設計に関する論文(システム制御情報学会論文誌,Vol.25,No.1,pp.10-18(2012))も出版した.またむだ時間系と関連の深い分布系(熱系,拡散系)に対する結果として,鉄鋼圧延プロセスにおける遷移沸騰領域での冷却制御のモデリングと安定性解析に関する論文(計測自動制御学会論文集,Vol48,No.4(2012)),加圧炊飯プロセスの数理モデル化に関する論文(システム制御情報学会論文誌,Vol.25,No.6(2012))も掲載が決定した.受動歩行に対する非侵襲的なアプローチとして,状態にジャンプを有する系に対する遅延フィードバック制御についての研究をかつておこなったが,その双対ともいえる,状態にジャンプを有する系に対する繰り返し制御について検討した.これについても第12回計測自動制御学会制御部門大会で発表し,現在,論文執筆が進行中である.
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