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アスファルト舗装の耐久性向上の重要な要素であるアスファルトの破壊抵抗を評価する試験法として荷重測定型伸度試験に着目した。本試験におけるアスファルトの引張エネルギーと舗装の耐久性との関係を明らかにし、改質アスファルトの性能評価試験として規格化することを目的とする。使用するアスファルトは、ストレートアスファルトと各種改質アスファルトである。
1. 各種アスファルトに対する伸度試験の荷重-変位曲線から、引張試験中の試料の体積が変化しないと仮定して、断面積変化を考慮した真応力、真ひずみを計算し、破壊までの真の引張エネルギーを求めることができた。これによって大変形時に試料断面積が小さくなっても、良好な改質アスファルトは高い引張応力を有することが確認できた。
2. 同じアスファルトを用いて舗装用混合物を作製し間接引張試験を行い、混合物の引張破壊に要するエネルギーを求めた。試験温度は40℃である。バインダーに対する引張試験によって得られた引張エネルギーが、混合物に対する間接引張試験によって得られる引っ張りエネルギーと高い相関のあることが確認できた。
3. 強制的に熱劣化させた供試体に対し間接引張試験を実施し、引張破壊エネルギーを求めた。
4. 劣化させた供試体からアスファルトを抽出し、伸度試験を行い引張エネルギーを求めた。15℃における間接引張試験から得られたエネルギーは伸度試験のエネルギーと相関を示さなかったが、40℃における間接引張試験結果はよい相関を示した。
以上のことから、荷重測定型伸度試験から得られるバインダーの引張エネルギーは改質アスファルトの重要な指標となり得ることを確認した。非常に簡便な試験法であり、再現性、精度も他の試験法よりも優れている。23年度は、低温領域での試験を追加しひび割れ抵抗性の評価を実施するとともに、荷重測定型伸度試験の時間温度換算則等、基本的なレオロジー性質評価方法について検討する。
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