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2011 年度 実績報告書

デジタルカメラを用いたトンネル坑内簡易粉じん量測定システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21560486
研究機関山口大学

研究代表者

進士 正人  山口大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40335766)

キーワード環境分析 / 施工環境 / 画像処理 / 建設マネジメント
研究概要

山岳トンネル施工中の様々な建設作業により発生する粉じんは,その粒径によっては作業員の肺に入ると,それが肺に蓄積され人体に影響を及ぼす懸念がある.そのため,我が国ではトンネル坑内での粉じん濃度測定が義務化されている.トンネル内の粉じん濃度には「デジタル粉じん計」を用いることが一般的である.この装置は一定の吸引量で粉じんを含む空気を装置内に吸引し,その空気にレーザーを照射し,レーザー光の拡散を利用して粉じん量を数量化する.その粉じん量に装置固有の質量濃度変換係数を乗ずることで換算粉じん濃度としている.しかし,デジタル粉じん計は10分以上継続的に測定を行い平均的な粉じん濃度を計測する必要がある.そのため,より簡便に粉じん濃度を測定できる測定方法が求められていた.
一方.トンネル坑内でフラッシュ撮影を行うとフラッシュ光のミー散乱により写真には坑内に浮遊する粉じんが雪のように写ることは古くアナログカメラの時代から知られていた事実であった.アナログカメラでは撮影されたネガフィルムを現像しなければ写真が得られなかったのに対し,デジタルカメラが主流となった.現在ではその場で撮影記録を確認できる.そのため,粉じんが白く映る写真はその場で確認できる.本研究ではこの現象を利用し,デジタルカメラによるフラッシュ撮影写真から粉じん量を測定する方法を確立する.そのため,カメラ固有のフラッシゴ撮影領域を明らかにするとともに,デジタル画像から粉じんの個数をカウントし,個数から粉じん量を算出する方法をまず検討した.しかし,それでは簡易な測定には結びつきにくいため,事前に,写真の白濁度デジタル粉じん計の粉じん濃度とを直接ニューラルネットにより学習させ,それ以降は,画像処理手法を利用しトンネル坑内の粉じん濃度を推定する方法を考案した.その結果,デジタル粉じん計の濃度変化とよい相関性が得られ,デジタルカメラのフラッシュ画像から簡便に粉じん濃度の測定ができることがわかった.
これらの研究成果は,国際トンネル会議などで高く評価され,東アジアや南アジアの発展途上国での建設現場の粉塵測定に適用がすでに始まっている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] フラッシュ写真を用いた簡易粉じん測定法2011

    • 著者名/発表者名
      岸田展明
    • 雑誌名

      トンネルと地下

      巻: 42 ページ: 55-60

    • 査読あり
  • [学会発表] 携帯電話のカメラ機能を用いたトンネル坑内での簡易粉じん濃度測定方法2011

    • 著者名/発表者名
      佐々木雄紀
    • 学会等名
      土木学会第66回年次学術講演会
    • 発表場所
      愛媛大学(松山市)
    • 年月日
      2011-09-07

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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