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2011 年度 実績報告書

地中に構築されるコンクリート構造物の長期耐久性予測に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21560491
研究機関早稲田大学

研究代表者

関 博  早稲田大学, 理工学術院, 教授 (40120919)

キーワード地下空間 / 還元性環境 / 鉄筋腐食 / アルゴン脱気 / 不動態
研究概要

社会基盤施設として地下空間を有効利用することが求められており、最近では放射性廃棄物の処分施設などが計画されている。これらの施設の構造物としては鉄筋コンクリートが主体と考えられる。このような地下構造物を構築すると、建設後の維持管理は不可能に近く、RC部材ではコンクリート中の鉄筋の腐食が構造体の性能保持に大きく影響する。地下空間に構築された密封環境にある構造体では、大気中環境と異なる腐食メカニズムの構築および供用寿命の予測方式が必要であり、薪たな検討が求められる。すなわち、地下環境での寿命予測のためには、酸化環境から還元環境に至る過程における鉄筋腐食に関して腐食機溝と腐食速度を得る必要がある。
本研究は地下空間の環境(当初は酸素拡散環境(酸化性環境)から酸素欠乏状態(還元性環境)に移行)にあるコンクリート構造体において構造体中鉄筋の腐食挙動に関して、電気化学的実験を実施した。腐食速度は極めて小さく、当初の予備実験で精度の高い実験方法を確認することからスタートしたが、今年度は最終年度であり種々の要因を取り上げて実施した実験について最終の取りまとめを行った。実験の順序は、(1)コンクリート供試体の作成(事前に鉄筋を埋設)、(2)鉄筋腐食の促進試験の実施、(3)酸化性環境での水中浸漬実験(20℃)、(4)還元性環境での水中浸漬実験(50℃、溶存酸素濃度0ppmの水溶液)、(5)浸漬実験後の鉄筋の取り出しと鉄筋腐食状況の観察、である。
実験の結果から次のような結論が得られた。
(1)酸化性環境(約20℃)およびその後の還元性環境(約50℃)における腐食速度は、各々0.0014~0.0095(μA/cm2)および0.015~0.055(μA/cm2)であった。
(2)本研究ではあらたに、還元性環境での腐食速度を評価するために不動態維持電流法による測定を提案した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 酸化性環境から還元性環境に至るコンクリート中鋼材の分極特性に関する研究2011

    • 著者名/発表者名
      金子聡志、朝瀬康平、関博、石川光男
    • 雑誌名

      コンクリート工学年次論文集

      巻: Vol.33, No.1

    • 査読あり

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公開日: 2013-06-26  

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