研究概要 |
コンクリートの超音波速度は,細骨材量や粗骨材量などコンクリート中の材料の構成の影響を強く受け,セメントマトリックス強度が小さい強度発現途上の若材齢コンクリートでは,その傾向が著しい.したがって,超音波計測の結果を汎用的なものとするためには,骨材量の影響を適切に評価しなければならない.本研究では,骨材の超音波速度がその容積率に応じてコンクリートの超音波速度に寄与するとしたモデルを考え,骨材量がコンクリートの超音波速度に及ぼす影響の定量化を試みた.平成23年度の研究では,粗骨材容積率を同一とし粗骨材粒子サイズを変えたコンクリートの超音波速度を計測し,粗骨材粒子サイズが超音波速度に及ぼす影響を確認した.また,粗骨材の代わりにガラス球(ビー玉)を用いたコンクリートによる実験方法についても検討した. この中で,若材齢コンクリート超音波速度には骨材容積率だけではなく,骨材の粒子サイズが影響することが明らかになり,その影響の定量化の必要性を示した.一方,コンクリートの動弾性係数は粗骨材粒子サイズの影響を受けにくいことを確認しているので,超音波速度計測結果からコンクリートの動弾性係数を推定するためには,粗骨材粒子サイズの補正が必要であるといえる. この補正パラメータには最も簡単な粗粒率FMを用いることができると考えており,今後この部分の検討を継続する.
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