研究概要 |
本研究は,衝撃弾性波法において時間領域信号に基づいてPCグラウトの充填度を評価する方法を開発するものである。多数の衝撃弾性波法の結果を加算平均して,PCグラウトの有無の判定に成功した。本方法は多数回の計測結果が必要であるが,ソフトエアガンを導入することによって短時間のうちに実行可能となった。当初の目的は達成されH23年度中に発表をおこなった。 さらに発展的研究として,検査地点へのアクセスの方法に関する改善に取り組んだ。フィールド実験でPCグラウトの充填度評価をおこなったところ,最大の問題点は検査個所へのアクセスであることが判明した。PCグラウトの充填評価が必要な場所は,橋梁であり,高所の検査が必要となることが多い。検査装置を検査位置に配置すること自体が困難なこと多い。そこで,H23年度は,衝撃弾性波法の改良に平行して,検査装置を搭載して,鉛直な壁面を自走することができる装置開発をおこなった。 鉛直なコンクリート壁面を自由に走行できる装置は,8個の吸盤を持ち,それぞれに減圧ファンを搭載している。一個の吸盤による壁面への保持能力は10kgwを超える。4個ずつの吸盤は互いに固定されており,それぞれの2組の吸盤が互いに回転・並進運動をすることによって壁面を自由に移動することができる。壁面の移動速度は,壁面に依存し,毎秒10cm程度である。全体の装置の寸法は,縦80cm,横80cm,厚さ20cm程度で,重量は検査装置にもよるが,約20kgw程度である。
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