研究概要 |
本研究の目的は低価格で,外部からの電源を必要としない橋梁のモニタリングシステムを構築することである.背景としては,橋梁の劣化が問題となっていること,予算制約の大きい地方公共団体が多いこと,高性能なマイクロコンピュータや通信モジュールが入手しやすくなっていること,および低炭素社会といった環境への配慮が重要となっていることがあげられる.待ち受け時間の長い事象(地震など)のためのデータ収録システムの構築を目指したものである. 平成21年度には圧電素子の発電特性を調べた.平成22年度は,太陽電池に関して発電特性を調べた.市販の太陽電池による充電器を基にして,マイクロコンピュータに必要な電力を供給する回路を作成した.この電池に市販の無線センサノード(Mote)を接続し,電池がどれくらい持続するかを調べた.電池を満充電し,2個を並列にして接続することで,3日ほど持続することを確認した. 今後としては(1)無線センサノードの計測項目および時間の調整できるマイコンプログラムを行うこと,(2)無線通信の別のマイコン回路の作成,(3)信号受信後のインターネット配信のためのサーバの構築を行う予定である.この中で,(2)のマイコン回路の作成はすでに試作品が完成した.また,データ通信が所望のとおりに行われていることは確認している.より具体的には,異状検知のためのしきい値の設定やそれに応じた計測のためのプログラムを作成する予定である.
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