研究概要 |
地盤変形による送電鉄塔基礎の不等変位とそれに伴う鉄塔損傷の評価を目的とし,地盤-基礎-鉄塔連成系の三次元大変形・弾塑性挙動を高精度に評価できる数値解析システムを開発した.研究の第2年度にあたり,下記の研究項目(i),(ii)を実施した. 研究項目(i)地盤-基礎-鉄塔連成系のモデル生成・解析実行プラットフォームの構築 送電鉄塔全体系の有限要素解析においてモデル生成と解析を効率的に行うためのプラットフォームの整備を行った.その際,以下の事項に重点を置いた. 1.鉄塔は用地制約から斜面や尾根など複雑な地形・地質条件に立地する場合が多いため,3次元的に複雑な地形・地質を有する地盤の構造・物性情報を解析モデルに反映させた. 2.鉄塔は複数種の断面形状を有する多数の部材で構成され,部材間の接合方法などの再現が部材座屈の解析結果を大きく左右するため,それらの正確な再現を行った. 研究項目(ii)地盤-基礎-鉄塔連成解析による連成系の変形特性の評価 地震による土の亀裂,基礎を支持する土層の部分的な沈下,基礎周辺の土の移動・喪失等に伴う,基礎の変位を受けた地盤-基礎-鉄塔系の3次元大変形・弾塑性解析を行い,地震後における基礎の健全性と鉄塔の余耐力の評価を行った.
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