研究概要 |
わが国では地震や台風などさまざまな災害が発生している.近年では,兵庫県南部地震,新潟県中越地震,福井豪雨など重大災害が発生しているが、とりわけ注目すべきは能登半島地震の発生であった。能登半島地震が発生した際、指定された緊急輸送道路は被災者の救助・救援・復旧などを迅速に行なう機能を持つべきであったが、この地震により緊急輸送道路自身が多大な被害を受け、その重要な機能が果たせなかった現実がある。そこで、本研究では、1.道路機能評価と道路健全度評価を合わせた「道路施設・構造物のライフサイクルコスト(LCC)やシステム」の基本スキームを提言し、特に、石川県の緊急輸送道路ネットワーク機能の有効性評価やその構築を行った。2.具体的は、地域特性や災害要因(地震、地すべり、崖崩れ、土石流などの地盤災害および浸水、雪害等)をとりあげ、地域高度情報データベースの構築とその分析に当たった。このことは地域緊急輸送道路や幹線道の重要度評価のための外部要因となる災害復旧要因などが特に抽出でき、地域情報や災害情報を収集した高度地域情報データベース(GIS)の構築に繋がった。つまり、「実際版道路管理総合システム」の構築(試作)である。なお、この「道路管理総合システム」は、今後、石川県全域に拡げ実際運用を目指すとともに、それ以外の地域や高速道路NEXCO(旧道路公団)などの道路事業者(管理者)にも十分適用できるスキームとなるよう発展・改良に努めたい。
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