研究概要 |
乱流特性を考慮した底質pickup関数の構築に向けて,当該年度は本実験に向けた水路改造や外的乱れ供給法に関する基礎的検討ならびに底質移動量を定量的に評価するための画像計測手法の開発をおこなった.当初計画では砂面昇降装置によるpickup量の評価を念頭においたが,一様流のみならず非定常性を含んだより広範な流れを対象とするために,画像計測手法およびレーザーによる連続砂面計測をpickup量評価の中心に据えることとした. (1)水路改造 底面付近の流速および外的乱れ供給量と底質pickup量を関連付けるには,非常に多くの条件での実験が必要になる.本実験での実験条件を十分に検討した上で,実験の効率化を図るために既存の水路を改造し,一様流や段波を生成可能な専用小型水路の製作を行った. (2)外的乱れ供給法に関する検討 乱流格子を用いた底面への乱れ供給に加えて,自然に上層から底面に向かって乱れが供給される段波を用いることを検討に加えた.予備実験として段波による底面付近の流速や底面せん断力、乱れ特性を計測し,移動床において底質移動特性を把握するための実験を行った. (3)画像計測手法の開発 これまでに開発したELバックライトによる浮遊砂濃度計測法の信頼性を高めるため,より広範な条件でのキャリブレーションを行った.また,砂粒子をトレーサーとしたPIVによる流速計測を同時に行うことで,底質フラックスを評価する手法を開発した.単純な条件で手法の精度検証を行ったところ,10-20%程度の精度で底質フラックスの定量的評価が可能であることが明らかとなった.
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