研究概要 |
本研究は休日交通を考慮した将来の交通網計画の策定に資することを目標として、1)将来交通量推計における需要波動性の問題の解決および2)不確定要素の将来推計プロセスに対する新たな導入方法の開発を行おうとしたものである。 本年度の成果は以下の通りである。 (1)休日交通の時空間分析技法の開発 年間を通じたデータに基づき、休日における目的別交通の発生頻度や発生間隔、移動距離の上限性等の分析を行い、年間波動性を捉えた。 分析データは、昨年度取得したweb調査アンケートデータであり過去の休日行動を回答してもらう形式で、各休日に行ったトリップ情報(目的地、移動目的等)の情報を得ている。 このデータにもとついて、休日行動の特性を分析した結果、目的地の空間分布特性としての再訪行動を形成する要因として、個人の「習慣性」が大きな影響を与えていることが分かった。また旅行目的に関する変数,自動車免許有・自動車保有も比較的影響を与えていることが分かった.一方で,利用媒体,性別,年齢に関しては,それ程強い影響度はなく,傾向としてのみ示された. (2)不確定要因の将来推計プロセスへの導入 交通需要の将来推計にあたって前提条件となる外的環境要因に関するデータの収集と、それらの将来値に関する情報の収集を行った。 近年注目されているガソリン価格を対象として、価格弾力性の分析を行い、短期的、中期的な影響を把握するモデルによって、将来値とも言うべき長期的な需要変動への影響度を把握可能とした。
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