研究概要 |
時間価値の増大や企業のJust in Time生産,在庫ゼロ管理等の経済活動の高度化によって人流・物流の両面において旅行時間の信頼性が求められている.本研究では,従来から提案されている種々の旅行時間信頼性指標を踏まえた上で,新しい旅行時間信頼性指標を提案する.内外10種以上の信頼性指標を理論モデルおよびナンバープレート観測による旅行時間変動分析で比較検討し,本研究で開発する指標も含め各種指標の利害得失を明らかにしようとしている.研究は,以下の5項目から構成される.各項目の平成22年度の成果とともに簡略に述べる. (1) 文献のレビュー:2010年までに発表された最新の旅行時間信頼性指標に関する文献をレビューした. (2) 旅行時間変動推定モデルの開発:旅行時間変動を多段階確率モデルによって開発した.[悪天候となる確率]→[交通規制が実施される確率]→[旅行時間変動を推定する確率分布関数]→[OD間旅行時間の変動]を多段階確率モデルで表現している. (3) 上記旅行時間変動モデルを用いて旅行時間の変動を推定した.推定対象は,名古屋~大阪間の名神,新名神(計画区間全通後),東名阪の3ルートである.得られた変動値に対して,従来提案されている6指標と,本研究で提案する5指標(挙動把握用ベンチマーク的指標を含む)を比較した. (4) ナンバープレート観測による旅行時間変動の分析を行った.詳しい解析は平成23年度の課題としている. (5) 以上の成果を,国内・国外の学会にて発表した.
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