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2010 年度 実績報告書

車いすユーザのエネルギー消費による身体負荷の定量化とバリアフリー評価に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21560566
研究機関兵庫県立福祉のまちづくり研究所

研究代表者

橋詰 努  兵庫県立福祉のまちづくり研究所, 研究第二グループ, 研究員 (00435900)

研究分担者 北川 博巳  兵庫県立福祉のまちづくり研究所, 研究第一グループ, 研究員 (10257967)
キーワードバリアフリー / 車いす / 道路環境 / 身体負担 / エネルギー代謝
研究概要

本研究は車いすユーザの身体的負担について、エネルギー代謝を指標として定量化し、客観的エビデンスに基づいて歩道環境のバリアフリー度を評価する手法の構築を目的とする。今年度は、「室内実験環境(平坦路と実験用スロープ)と道路環境(スロープ)での健常者による車いす走行中のエネルギー代謝の実験」を行い、酸素摂取量代謝指標(以下OCIと略す)、心拍数、仕事量と仕事率を指標としてスロープ走行時の身体的負荷を客観的に評価する試みを行った。研究結果は以下のとおりである。
(1)実験用スロープの8%勾配は5%勾配よりもOCIにおいて1.7倍の値を示し、身体的負担が大きい。(2)10mの短距離スロープを繰り返し走行する実験方法については、8%勾配で120mの避難スロープの連続走行実験との比較により検証した。両者のOCIの平均値の差に有意差がないことから、短距離スロープの往復により連続走行スロープの評価ができることを明らかにした。この手法は実験に物理的制約がある中で、スロープと車いすユーザの身体的負担を客観的に評価する上で有用と思われる。(3)8%勾配の道路スロープのOCIが避難スロープと比較して1.4倍大きいという差が見られた。原因としては、道路スロープの横断勾配や路面の波打ち等の影響によるものと思われる。(4)OCIを身体的負荷の指標とした時、平坦路を1とした場合、5%実験用スロープは1.5、8%実験用スロープは2.5、8%勾配の避難スロープは2.8、道路のスロープは3.8となり、身体的負担を比較する指標として利用することが可能である。(5)本研究において得られた実験結果や実験手法を用いることにより、さまざまな走行環境に対する車いすユーザの身体的負担を評価することが可能であり、道路のバリアフリー化の効果の客観的評価、負担の少ない経路選択や、スロープのユニバーサルデザイン等への応用が可能である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Relationship between wheelchair user's physical load and road environment by energy metabolism and wheelchair driving force2010

    • 著者名/発表者名
      HASHIZUME, KITAGAWA, 他9名
    • 雑誌名

      12th International Conference on Mobility and Transport for Elderly and Disabled Persons(TRANSED 2010)

      巻: CD-ROMA280

    • 査読あり
  • [学会発表] スロープ路面と車いす使用者の身体的負担の研究2010

    • 著者名/発表者名
      橋詰努、北川博巳、上田喜敏、宮本忠吉
    • 学会等名
      日本機械学会第19回交通・物流部門大会
    • 発表場所
      神奈川県
    • 年月日
      20101200
  • [学会発表] 酸素摂取量と車いす駆動トルクによる車いす使用者の身体的負担の評価2010

    • 著者名/発表者名
      橋詰努、北川博巳、上田喜敏
    • 学会等名
      第25回リハ工学カンファレンス
    • 発表場所
      宮城県
    • 年月日
      20100800
  • [学会発表] 平坦路とスロープ走行時の車いす使用者のエネルギー代謝の計測と評価2010

    • 著者名/発表者名
      橋詰努、北川博巳
    • 学会等名
      日本福祉のまちづくり学会第13回全国大会
    • 発表場所
      愛知県
    • 年月日
      20100800
  • [学会発表] スロープ登坂時における車いす利用者の身体的負荷の評価2010

    • 著者名/発表者名
      毛利太一, 橋詰努, 他3名
    • 学会等名
      生活生命支援医療福祉工学系学会連合大会2010
    • 発表場所
      大阪府
    • 年月日
      2010-09-19

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公開日: 2012-07-19  

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