研究概要 |
15℃の温度で、Legionella pneumophilaはAcanthamoeba castellanii中で、生きてはいるが培養不能、VNC(Viable but not Culturable)状態に移行することが、培養法、real-time PCR(RTPCR)、EMA real-time PCR(EMA RTPCR)の比較、および透過型電子顕微鏡観察によって明らかになった。しかしAcanthamoeba polyphaga, Haltomannella vermiformisではVNCへの移行は示されなかった。一方水温の異なる季節で、東京都内の2つの一級河川を対象に培養法、RTPCR法、EMA RTPCR法を用いLegionellaの検出を行ったが、Legionellaは季節に関係なく培養検出できなかった。RTPCR法、EMA RTPCR法では少量ながらも生きた状態でL. pneumophilaの存在を認めたが、水温による影響は認められなかった。測定地点の河川水中のamoebaについてPCRによる定性を行ったが、Acanthamoebaは検出されず、Haltomanellaが優位であった。この結果は、Legionellaとの相互関係が水温に影響を受けるamoebaの不在か、河川は流れがあり、Legionellaとamoebaの接触機会が少ないことが原因と考えられた。
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