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2011 年度 実績報告書

二方向水平力を受ける鉄筋コンクリートL形断面耐震壁のせん断降伏強度に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21560578
研究機関室蘭工業大学

研究代表者

溝口 光男  室蘭工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80166040)

キーワード鉄筋コンクリート / L型断面耐震壁 / せん断強度 / 伸び / アーチ機構 / 実験
研究概要

1.研究概要
本研究では,新しい破壊形式(以後,せん断降伏と呼ぶ)で決まるL形断面耐震壁(以後,L形壁と呼ぶ)の二方向耐力について実験によって明らかにするために,水平力に対して圧縮側となる側柱脚部が大きく伸びた場合の平面壁のせん断降伏耐力を検討し,さらに,一方の壁がせん断降伏するL形壁の終局耐力を検討することを目的としている。今年度は,実物約1/4の鉄筋コンクリートL形壁模型4体の実験を行い,L形壁を構成する2枚の壁板の交差部にある柱が大きく伸びたときのせん断降伏耐力について検討し,昨年度までの平面壁の結果と比較を行った。
2.成果の要約
(1)L形壁を構成する2枚の壁板の交差部にある柱が大きく伸びたときのせん断耐力は,この柱が伸びていない場合のせん断耐力よりも小さくなる。L形壁のこのせん断耐力の低下割合は,平面壁の実験結果と差異が見られなかった。
(2)L形壁を構成する2枚の壁板の交差部にある柱が大きく伸びたときのせん断耐力には,側柱の帯筋pw・σwy(pw:帯筋比,σwy:帯筋降伏点強度)の影響はほとんどみられず,平面壁の場合と同様の結果となった。
(3)L形壁を構成する2枚の壁板の交差部にある柱が大きく伸びたときのせん断耐力に及ぼす壁筋ps・σsy(ps:壁筋比,σsy:壁筋降伏点強度)の影響は,試験体数が少なく明確ではないが,同じps・σsyに対してL形壁の方が平面壁よりも耐力が少し小さくなった。
(4)圧縮側となる側柱脚部が大きく伸びた耐震壁のせん断耐力算定式として,アーチ機構に伸びた側柱主筋のだぼ作用を考慮した式を誘導した。計算値は,実験値との対応は比較的よいものの実験値を上回る値となっており,今後さらに検討を進めて行きたい。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 側柱が伸びた鉄筋コンクリート耐震壁のせん断耐力に及ぼす帯筋比の影響について2011

    • 著者名/発表者名
      笠井昭良、森貴規、溝口光男、荒井康幸、金谷修平、吉田結香
    • 雑誌名

      日本建築学会北海道支部研究報告集

      巻: No.84 ページ: 153-156

  • [雑誌論文] 側柱が伸びた柱補強筋比の小さい鉄筋コンクリート耐震壁のせん断耐力に及ぼす壁筋の影響2011

    • 著者名/発表者名
      森貴規
    • 雑誌名

      コンクリート工学年次論文集

      巻: Vol.33, No.2 ページ: 409-414

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effect of Shear Reinforcement Ratio of Column on Shear Strength of Reinforced Concrete Walls with Stretched Boundary Column2011

    • 著者名/発表者名
      Akira Kasai
    • 雑誌名

      Proceedings of the 5th International Symposium between Japan, China & Korea Performance Improvement of Concrete for Long Life Span Structure

      ページ: 111-116

  • [学会発表] 側柱が伸びた鉄筋コンクリート耐震壁のせん断耐力に及ぼす帯筋比の影響(その1実験概要)2011

    • 著者名/発表者名
      笠井昭良
    • 学会等名
      日本建築学会大会学術講演
    • 発表場所
      早稲田大学(東京都)
    • 年月日
      2011-08-25
  • [学会発表] 側柱が伸びた鉄筋コンクリート耐震壁のせん断耐力に及ぼす帯筋比の影響(その2実験結果)2011

    • 著者名/発表者名
      森貴規
    • 学会等名
      日本建築学会大会学術講演
    • 発表場所
      早稲田大学(東京都)
    • 年月日
      2011-08-25

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公開日: 2013-06-26  

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