研究概要 |
プレストレスト鉄筋コンクリート(PRC)及び鉄筋コンクリート(RC)構造における設計のキーポイントはひび割れ制御設計である。しかし,現行設計指針等における規定は,主として小型試験体の実験データに基づいているため,スケール効果に対する考慮が不十分と考えられる。本研究は中・大型のPRCおよびRC梁の曲げ試験を行い,ひび割れ制御設計に不可欠な曲げひび割れ間隔及び幅に及ぼす梁成,プレストレスレベル,コンクリート強度の影響を調べ,以下のような成果を得た。 1.ひび割れが曲げモーメントによる引張応力に起因するMひび割れと鉄筋とコンクリートの付着によるBひび割れに分類出来る。 2.Mひび割れの平均間隔l_<av>は梁せいDに依存して大きくなる。全試験体に対するl_<av>の平均値は0.44Dで与えられ,既往の大型実験で指摘・示唆されている0.5D程度とほぼ一致した。 3.引張鉄筋応力(σ_t)-拘束ひずみ(ε_<cm>)関係は,RCとPRCでは大きく異なる。現行PRC指針のσ_t-ε_<cm>関係は,PRC試験体の実験結果を全く推定できない。 4.拘束ひずみ(ε_<cm>)はat/(D-Xn)(b;at:引張鉄筋断面積、D:梁せい、b:梁幅)の関数として、定量化できる。
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