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2011 年度 実績報告書

省力化と高耐震性を目指した鋼・コンクリート合成柱と耐震要素を組合せた骨組の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21560604
研究機関福岡大学

研究代表者

堺 純一  福岡大学, 工学部, 教授 (30215587)

研究分担者 津田 恵吾  北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (50112305)
キーワード骨組の耐震性能 / 鋼コンクリート合成柱 / 鉄骨梁 / 鉄骨ブレース / 変動軸力
研究概要

平成21・22年度に,薄肉鋼管で横補強した鋼コンクリート合成柱材(以下SC柱と略記する)と鉄骨梁で構成された骨組に鋼ブレースを耐震要素として組合せた合成構造骨組に圧縮軸力と繰返し水平力を載荷する実験を行った。平成23年度は,2年間の実験結果を基に,合成構造骨組の弾塑性解析を行い,ブレースの有無および変動軸力が合成構造骨組の弾塑性挙動に及ぼす影響を調べ,下記のことを明らかとした.
1)細長比87程度のブレースを組込むことで,水平剛性がラーメン骨組の3.5倍になる。しかし,骨組に変動軸力を含む高軸力が作用するとブレースは鉛直荷重の影響を受けるため,早期に座屈が起こり,骨組の変形性状に影響が出る。
2)断面圧縮耐力に対する作用軸力が0.49と高軸力を負担してもSC柱には大きな損傷は無く,大変形域でも幅厚比87程度の薄肉鋼管によリコンクリートの剥離を抑え,高い性能を維持できた。さらに,変動軸力の有無で骨組の破壊モードに変化は無く,ブレースが安定した挙動を示した。
3)解析により,骨組の応力分布を分析した結果,層間変形角が0.5%程度では,ブレースがほとんどの水平力を負担している.その後,変形が大きくなるとブレースの負担割合が少なくなるが,層間変形角が2.0%を超える大変形域でも,ブレ-スの水平力負担割合は50%~70%を保持している。
以上のことより,SC柱は高い構造性能を保有し,ブレースなどの水平抵抗要素と組合わせた合成構造骨組は優れた耐震性能を示すことを明らかとした.
鉄骨鉄筋コンクリート(以下SRCと略記)構造は優れた耐震性能を持つ構造であるが,柱梁接合部で鉄骨と主筋が複雑に交差することや,鉄骨加工と配筋・型枠作業など解決すべき課題がある.本研究で対象としているSC柱を用いた合成構造は,SRC構造のこれらの課題を解決できる構造であり,さらに,SRC構造と同等以上の構造性能を保持している.

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] 薄肉鋼管で横補強した鋼・コンクリート合成柱材の復元力特性-骨格曲線の定式化-2012

    • 著者名/発表者名
      倉富洋, 堺純一, 田中照久, 河本裕行
    • 雑誌名

      日本建築学会構造系論文集

      巻: 第77巻,第673号 ページ: 491-498

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 鉄骨コンクリート柱と鉄骨梁で構成された骨組の弾塑性変形性状2012

    • 著者名/発表者名
      田中勝也, 堺純一, 田中照久
    • 雑誌名

      構造工学論文集

      巻: Vol.58B ページ: 429-436

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 薄肉鋼管で横補強した鋼・コンクリート合成柱材の構造性能及び安定限界軸力に関する研究2011

    • 著者名/発表者名
      倉富洋, 堺純一, 田中照久, 河本裕行
    • 雑誌名

      日本コンクリート工学学会年次論文報告集

      巻: 第33巻 ページ: 1129-1134

    • 査読あり
  • [学会発表] 鋼・コンクリート合成柱材のコンクリートの構成則に関する実験的研究2012

    • 著者名/発表者名
      高岸幸成, 倉富洋, 堺純一, 田中照久, 河本裕行
    • 学会等名
      日本建築学会研究報告九州支部
    • 発表場所
      西日本工業大学
    • 年月日
      2012-03-04
  • [学会発表] 鋼・コンクリート合成柱材の安定限界軸力に関する実験的研究2012

    • 著者名/発表者名
      倉富洋, 堺純一, 田中照久, 河本裕行
    • 学会等名
      日本建築学会研究報告九州支部
    • 発表場所
      西日本工業大学
    • 年月日
      2012-03-04
  • [学会発表] 鉄骨コンクリート柱と鉄骨梁で構成された骨組の弾塑性性状骨組の応力分布の解析2012

    • 著者名/発表者名
      田中勝也, 堺純一, 田中照久
    • 学会等名
      日本建築学会研究報告九州支部
    • 発表場所
      西日本工業大学
    • 年月日
      2012-03-04
  • [学会発表] 薄肉鋼管で横補強された鉄骨コンクリート柱材の構造性能評価法-骨格曲線の定式化-2012

    • 著者名/発表者名
      則松一揮, 倉富洋, 高岸幸成, 堺純一, 田中照久, 河本裕行
    • 学会等名
      日本建築学会研究報告九州支部
    • 発表場所
      西日本工業大学
    • 年月日
      2012-03-04
  • [学会発表] 鉄骨コンクリート柱と鉄骨梁で構成された骨組の弾塑性性状2011

    • 著者名/発表者名
      田中勝也, 堺純一, 田中照久
    • 学会等名
      日本建築学会大会学術講演
    • 発表場所
      早稲田大学
    • 年月日
      20110800
  • [学会発表] 薄肉鋼管で横補強した鋼・コンクリート合成柱材の構造性能評価法その1安定限界軸力について2011

    • 著者名/発表者名
      倉富洋, 堺純一, 田中照久, 河本裕行, 高岸幸成
    • 学会等名
      日本建築学会大会学術講演
    • 発表場所
      早稲田大学
    • 年月日
      20110800
  • [学会発表] 薄肉鋼管で横補強した鋼・コンクリート合成柱材の構造性能評価法その2骨格曲線の定式化2011

    • 著者名/発表者名
      高岸幸成, 堺純一, 田中照久, 河本裕行, 倉富洋
    • 学会等名
      日本建築学会大会学術講演
    • 発表場所
      早稲田大学
    • 年月日
      20110800

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公開日: 2013-06-26  

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