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2009 年度 実績報告書

時間的・空間的不均一視野における個人の視能力に配慮した明視性評価システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 21560612
研究機関奈良女子大学

研究代表者

井上 容子  奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (70176452)

キーワード明視性 / 不均一輝度視野 / 眼球内散乱光 / 視力 / 年齢 / ポジションインデックス
研究概要

設計者や環境管理者が平易に明視性を診断することのできるツールを提供することを目的として、「実効輝度理論を適用し、視野輝度分布とその時間的変化・光源の分光特性・観察者の年齢や視力に配慮した〈明視性評価システム〉の提案」する。影響要因の関係と重要度を、我々を取り巻く視野の実態に基づいて整理し、これまでに得てきた知見の活用と未検討要因に関する実験を行い、要因間の関係を関数化・標準化し、条件入力から評価出力までの流れを具体的に提案することが最終目標である。
平成21年度は主に、視力、年齢、散乱源の位置の影響について検討し、以下の知見を得ている。
(1) 視力の影響を確認するために、比較的視力の低い若齢者8名の視認閾値を測定し、既得の比較的視力の高い若齢者10名のデータと併せて、眼球内散乱光の輝度差弁別閾値への影響について検討を行った。注視点近傍からの散乱源によって生ずる散乱光の影響による輝度差弁別閾値の変化率は、視力が低いほど大きいが、視力1.0以上では差異がない。注視点から10度以上離れた散乱源については視力の影響は殆ど認められない。
(2) 加齢の影響を検討するために、高齢者5名の視認閾値の測定を行い、視力の等しい若齢者との比較検討を行った。注視点近傍からの散乱源によって生ずる輝度差弁別閾値の変化率には、加齢の影響は認められない。しかし、注視点から10度以上離れた散乱源については、輝度差弁別閾値の変化率は高齢者の方が大きく、は高齢者の方が大きく受けていると考えられる。
(3) 散乱源の方位による眼球内散乱光への影響について検討を行った。視野上方よりも下方にある散乱源の散乱光量が大きくなる傾向があるが、個人差が大きく、方位性が認められない者もいる。また、若齢者よりも高齢者により明瞭に方位性が認められる傾向がある。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] STUDY ON ILLUMINACE BALANCE BETWEEN WORKING AREA AND AMBIENT-CONSIDERATION OF INITIAL LIGHTING CONDITION, VISUAL TASK PERFORMANCE AND IMPRESSSION OF LIGHTING2010

    • 著者名/発表者名
      井上容子
    • 学会等名
      CIE(国際照明委員会)シンポジウム
    • 発表場所
      ウィーン ヒルトン
    • 年月日
      2010-03-15
  • [学会発表] 不均一輝度視野の明視性評価法に関する研究-視対象の分光分布の眼球内散乱光量への影響-2009

    • 著者名/発表者名
      池上陽子, 井上容子
    • 学会等名
      日本人間工学会関西支部大会
    • 発表場所
      奈良女子大学
    • 年月日
      2009-12-05
  • [学会発表] 実効輝度による順応輝度予測法に関する研究-視対象の近接背景の大きさの視認閾への影響-2009

    • 著者名/発表者名
      池上陽子, 井上容子, 原直也
    • 学会等名
      日本建築学会大会
    • 発表場所
      東北学院大学泉キャンパス
    • 年月日
      2009-08-29

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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