研究概要 |
本年度では、北九州学術研究都市における環境エネルギーセンターの2007年、2008年のデータをもとにも、太陽光発電、燃料電池、ガスエンジンの発電電力量、ガス使用量などを調べ、年間発電、排熱利用量、発電効率、排熱回収率、1次エネルギー総合効率などを検討した。 本研究の理論研究では、分散型エネルギー技術の多様化により、地域・建築のエネルギーシステムの選択が益々難しくなることから、経済性の視点に立ち、分散型エネルギー技術に関わるシステムの目標関数を構築し、線形計画問題として確定し、シンプレックス法アルゴリズムを用いて、分散型エネルギー技術の導入選択支援手法を提案した。北九州学術研究都市の地域エネルギーシステムを対象とし、手法の検証を図った。 また、地域家庭での利用を目指し、蓄熱タンクを含めた家庭用μCGSシステムの経済的な目標関数を構築し,混合整数非線形計画法を用いて,ユーザの電気需要及び熱需要を満たすための最適な家庭用μCGSの規模をモデル住宅において検討した。感度分析では,家庭用μCGSの導入に影響のある主なパラメータについて分析を行った。蓄熱タンクを含めた家庭用μCGSシステムの最適規模の検討を行った。 さらに、最適な建築のエネルギーシステムに関する評価が複雑であり、経済面だけではなく、環境影響にも考慮を入れる必要がある。研究では、線形計画法とマルチ基準評価方法を用いて、異なる種類の情報を考慮し、統合した評価モデルを構築した。 最後に地域エネルギーの利用を目指すために、北九州市における利用可能なエネルギーの潜在賦存量と利用可能量についての検討を行い、GISを用いて利用可能なエネルギー源のデータをマップ上に表せ、供給と需要の分布を把握し、具体的な利用についての提案を行った。
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