日本国内で商業的に成立しているエコトイレ数種の家庭利用を対象にして、そのし尿処理に関わる衛生確保性能、肥料生成能力について使用実験を、環境影響評価について物質収支・エネルギー収支・エクセルギー収支の解析を行なった。その結果、国産のし尿分離式と水分排除式のコンポストトイレ(堆肥化トイレ)では、高発熱添加材なしでは病原生物の無害化に必要な高温発酵には達しにくいこと、臭気の不快感はほとんど生じることないことが明らかになった。また、屎尿処理用の一次投入エクセルギーに対する屎尿の濃エクセルギー保存量の割合は、コンポストトイレ(ヒーターなし) が0.045~0.1で、下水処理場などの処理システムより割合が桁違いに大きく、屎尿処理用一次投入エクセルギーに対する屎尿の濃エクセルギー保存量の割合は、環境水の水質が下流域相当から上流域相当に向上すると、最大1.2倍になることが明らかになった。
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