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2011 年度 実績報告書

都市再開発における持続可能性と地域アイデンティティの関連に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21560628
研究機関千葉大学

研究代表者

木下 勇  千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 教授 (80251148)

キーワード都市再開発 / 持続可能性 / アイデンティティ / エリアマネジメント / スイス
研究概要

都市再開発においてアイデンティティの持続可能性における意味や役割についてスイスの事例と日本の事例をもとに検討してきた結果をとりまとめた。アイデンティティと持続可能性の概念の検討から「イメージアビリティ」、「場所のセンス」、「生きられた空間」を指標に、国内の事例の追跡調査とともに、海外の先進事例を収集し、分析を行なってきた。これまでの日本とスイスの事例では、日本のスクラップ&ビルドに対して、スイスの事例のように古い建物の再利用のコンバージョン、暫定利用(インビトウィーン・ユース)等の目に見える歴史的継続性がアイデンティティと持続可能性に貢献する点が明らかであった。しかしスェーデンのマルメ市の例のように古い港湾工業地の新規再開発において、100%再生可能エネルギーや資源循環、屋上緑化、魅力的なオープンスペース、建築デザインの隠喩的シンボル継承によってアイデンティティと持続可能性が強化する可能性が示された。いずれにおいてもオープンスペースにおいて緑や水等の自然と歩行路のネットワーク、滞留生やアクティビティにとっての質の向上等、都市の生活の質の向上に寄与し、またそれら空間の形成や活動を含めた官民協働のエリアマネジメントの重要性が認められる。これらの結果から、我が国の制度面においては、都市再開発法自体が高度経済成長時代の土地の価格上昇を前提にした制度であることからの根本の課題を抱え、また土地の権利調整、道路を中心としたインフラ整備に主眼がおかれて地域全体のビジョンや計画、周辺の事業所や居住者を含めた参加の過程が不十分であり、これら断絶が事業後の成果、地域の発展にとっての成果にも課題を抱える。構想、計画、実施、事業後の運営管理等の全体を一貫してマネジメントする体制も不十分である点も大きな課題である。都市の「縮小」時代の再開発の方向として、エリアマネジメントによるスロー・デベロップメントが可能な制度への転換が求められる。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] About Identity and Sustainability by Area Management for Urban Regeneration Project at Industrial Site- A Report Focusing on the case of SulzerAreal, Swi tzerland2011

    • 著者名/発表者名
      Isami Kinoshita, Hans Binder
    • 雑誌名

      CPIJ Review

      巻: 46-1 ページ: 31-36

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 日本の都市再開発におけるアイデンティティと持続可能性について2011

    • 著者名/発表者名
      木下勇・ハンス・ビンダー
    • 雑誌名

      日本都市計画学会都市計画論文集

      巻: 46-3 ページ: 463-468

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Characteristic of Public Small Park Usage in Asia Pacific Countries : Case Study in Jakarta and Yokohama City2011

    • 著者名/発表者名
      Sari, Mutiara, Kinoshita, Isami
    • 雑誌名

      Proceeding of Asia Pacific International Conference on Environment-Behaviour Studies

      ページ: 397-404

    • 査読あり
  • [学会発表] Urban Landscape Management at Street Boarder-From the Concept of Niwa Roju2011

    • 著者名/発表者名
      Isami Kinoshita
    • 学会等名
      Asian Planning Schools Association Congress
    • 発表場所
      Tokyo
    • 年月日
      2011-09-19
  • [図書] アイデンティティと持続可能性~「縮小」時代の都市再開発の方向2012

    • 著者名/発表者名
      木下勇・ハンスビンダー・岡部明子
    • 総ページ数
      198
    • 出版者
      萌文社
  • [備考] 2012.6月末まで

    • URL

      http://web.mac.com/kinoshita_apple/KinoshitaSite/SustainableCity.html

  • [備考] 2012.7月以降

    • URL

      http://www.h.chiba-u.ac.jp/tcp/tcp/Welcome.html

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公開日: 2013-06-26  

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