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2011 年度 実績報告書

多心型シティリージョンの持続可能性 ESDPに呼応した欧州都市動向の調査分析

研究課題

研究課題/領域番号 21560630
研究機関千葉大学

研究代表者

岡部 明子  千葉大学, 工学研究科, 准教授 (70361615)

キーワード空間政策 / シティリージョン / 持続可能性 / 都市開発
研究概要

1年目では、欧州において、ESDP(1999)で提唱された多心型シティリージョンが、経済競争力の観点のみならず環境・経済・社会を統合した持続可能性で判断し、支持されていることが明らかになった。半面、比較優位にある都市や地域が多心型シティリージョンの恩恵を受けやすく、競争力の劣る中東欧都市・地域に急激なインフラ整備と環境保全の両立に腐心するなどその歪みが見られた。
2年目では、中小都市がネットワークする美しい景観が観光産業の基盤となっている地中海地域やアルプス地域において、特定の都市が巨大化することを回避し多心型シティリージョンという地域空間構造自体を資産ととらえる考え方と地域整備計画など実際の政策への適用とその運用について具体的に明らかにした。
最終年である本年度は、2年問で得られた知見を総合し、(1)人口減少や気候変動など統合的な視点を取り入れてはじめて多心型シティリージョンと持続可能性が結びつくこと、(2)発展段階や地理条件などにより、欧州内で持続可能性に不均衡が生じることなどを考察結果として得た。
カタルニア州やアルプス地域の地域空間マネジメントの制度を具体的に検討した結果、日本においても、多心型シティリージョンの中小都市がネットワークしている人口が定常状態にあったころからの都市システム自体を地域固有の資産として守ることが、人口減少・高齢化に振り回されない持続可能性を担保しうることが見えてきたことの意義は大きかった。さらには、広域アジア圏を見据えた空間戦略を構想するにあたり、地域レベルの多心型シティリージョンを基本単位としつつ、国・広域アジアレベルの多極分散型と重層させる大きな方向性が展望できたといえる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] スペインカタルニア州土部分計画に関する考察-「地域空間システムを継承する計画思想」の萌芽ととらえて2012

    • 著者名/発表者名
      岡部明子
    • 雑誌名

      日本建築学会 総合論文誌

      巻: 10 ページ: 84-88

    • 査読あり
  • [学会発表] 2014年以降のEU政策と都市2012

    • 著者名/発表者名
      岡部明子
    • 学会等名
      龍谷大学LORC研究会
    • 発表場所
      龍谷大学
    • 年月日
      2012-01-19
  • [学会発表] 欧州の大都市制度:コペンハーゲンとバルセロナを中心に2011

    • 著者名/発表者名
      岡部明子
    • 学会等名
      総務省社会構造の変容に対応した地方自治制度のあり方に関する検討会
    • 発表場所
      総務省
    • 年月日
      2011-12-02
  • [図書] アイデンティティと持続可能性2012

    • 著者名/発表者名
      木下勇・ハンス ビンダー・岡部明子
    • 総ページ数
      112-129
    • 出版者
      萌文社

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公開日: 2013-06-26  

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