研究概要 |
本年度は障害付きp-センター問題を近似的に解くアルゴリズムの開発を行っている。アルゴリズムは、ランダム・ドローネ網(rDn)上の点の隣接関係を探索の近傍と仮定することで、この問題をrDn上のセンター点の探索問題に置き換えて解く方法としている。p-センター問題を解く準備段階として、これよりも結果の安定性の良いp-メディアン問題のアルゴリズムを現時点では作成している。解の探索には、NP困難な組み合わせの中から、局所最適解に陥らないように探索する方法として、Weizfeldの最急降下法に模擬焼き鈍し法を応用した方法を採用している。その結果を、基本的なモデルで厳密解と比較しその有効性を検証し良い結果を得ている。この詳細は、論文「障害付多点ウェーバー問題の近似解法-大学キャンパスにおけるAED配置のスタディ-」都市計画論文集,2009,44,pp.805-810で発表している。この論文では、方法論だけでなく、ケーススタディも行っている。大学キャンパスにおけるAED配置という具体的な計画においてこの方法が適用できることを示し、道具としての有効性も表現している。次年度、引き続き、p-センター問題への適用を図る予定である。本年度の研究はおおむね予定通り進行しているが、結果の安定性の問題から、p-メディアン問題としており、p-メディアン問題からp-センター問題のアルゴリズムヘシームレスに移行できるような工夫をどのようにアルゴリズムとして組み込むべきかという課題が出てきている。
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