地域団体と取り組んできた観光開発事業を事例とし、企画段階でのグループ討論を支援するシステム環境、図解技法による発想作業モデル検証、デジタル化に向けたを行ってきた。これらの知見からデジタルワークショップ対応の討論支援システムの開発に取り組んだ。本年度の実績の要点は以下の3点となる。 1.グラフィック・ファシリテーション(以下GF)によるデザイン企画段階作業モデル提案 GFはグループ討論におけるキーワード・論点や資料を図解(ダイヤグラムやフローチャート、スケッチライクなメモ等)で示しながら、効率的にアイデア発想や合意形成を行う技法であり、まちづくりワークショップ等の専門性が異なる参加者がある会議に向いている。本研究で、アイデア企画作業を多数のリソース(イメージ、写真、メモ等)が出される「発散殺階」、リソースを関連づけ、構造化していく「構造化段階」、知見や気づきをまとめて表現する「収束段階」の3階層討論モデルを構築した。 2.Webベースの討論支援システムAPEX/VPBv2の開発 GFをデジタル環境で実装するAPEX/VPB(Architectural Proposal Exchange/Visual Pinup Board)改良版(v2)の開発を行った。このシステムはWebサーバ上のRDBに、討論段階で作成されるリソースを収集し、Flashによるリッチインターフェースで、マインドマップのような構造化マqップ、カテゴリマップ、プロポーザルの提案をブラウザから行えるデジタル環境に対応した。 3.デジタル環境とアナログ環境の比較検証 APEX/VPBv2の有効性や操作性を検証する比較実験をアナログ(従来手法)環境、デジタル(システム導入)環境で比較し、さらに電子ホワイトボードや電子ペンによる対面討論と参加者がネットワーク環境からシステムにアクセスする遠隔地間作業の検証実験を行った。
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