研究課題/領域番号 |
21560656
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研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
田中 賢 日本福祉大学, 健康科学部, 准教授 (00387747)
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研究分担者 |
清永 賢二 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (50277670)
樋野 公宏 独立行政法人建築研究所, 住宅都市研究グループ, 主任研究員 (30391600)
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キーワード | 都市計画・建築計画 / 防犯 / 防犯環境設計 / 人間工学 |
研究概要 |
近年、建築学の分野では「防犯環境設計=環境による犯罪予防(Crime Prevention Through Environmental Design):以下、CPTEDとする」が注目されている。これは犯罪が起きた環境に焦点をあてようというもので、「犯罪は環境でコントロールできる」という考え方に基づいている。 本研究では戸建て住宅におけるCPTEDの考えに基づく具体的な指標づくりを目指す。 CPTEDを構成する4要素(監視性の確保・領域性の確保・対象物の強化・接近の制御)に関して人間工学的研究(すなわち防犯人間工学)を実施し、CPTEDで定性的に言われていることを定量的に把握し実際の戸建て住宅の防犯に実践可能なデータ把握を目指す。 平成22年度においては、各種設計指針の基礎的なデータとなるよう、特に「接近の制御」「対象物の強化」の防犯人間工学実験を行った。 警察庁指定広域技能指導官を務めた元・警察官の指導を受けて犯罪企図者の戸建て住宅への接近行動について検討を行った。そこから、接地階バルコニー前やサッシ前に低植栽を植えることは、当該部位を乗り越え、侵入する際の障壁(シンボリック・バリアーやリアル・バリアー)となることや、犯罪企図者はそこを越える際には痕跡(衣服の繊維や足跡、身体の傷など)を残すことを嫌うことなどが分かり、実験条件に加えることとした。 接地階バルコニー及びサッシを作製し、その前方に量を可変できる模擬植栽を設置し、被験者(スポーツ経験者)にバルコニーの乗り越え及びサッシへの侵入行為を行ってもらった。植栽は高さよりも奥行きが犯罪行為の行い難さに影響することが分かり、被験者の身体寸法・能力では、身長の影響が大きいことが分かった。
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