研究課題/領域番号 |
21560662
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研究機関 | 国立保健医療科学院 |
研究代表者 |
鈴木 晃 国立保健医療科学院, 統括研究官 (20187701)
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研究分担者 |
阪東 美智子 国立保健医療科学院, 生活環境研究部, 主任研究官 (40344064)
大越 扶貴 三重県立看護大学, 看護学部, 教授 (90352632)
中村 美安子 神奈川県立保健福祉大学, 社会福祉学科, 准教授 (30363857)
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キーワード | 都市計画・建築計画 / 医療・福祉 / 長寿命化 / 住環境整備 / 生涯住宅 / 単身高齢者 / 車いす自走 / 戸建て分譲住宅 |
研究概要 |
本研究は、将来必要になったときに簡単な改修で対応できる新規住宅(加齢対応住宅)の基本性能を提案することを目的に、(1)自立志向の視点で高齢後期における在宅生活の遂行モデルを具体的に検討した上で、(2)その生活像に容易に対応できる住宅の基本性能を明らかにすることを課題としている。本年度は(1)については、「自立・車いす」という移動方法が高齢者に一般に想定できるかを検証するための実態調査を行い、(2)に関しては、初年度の後期高齢単身世帯の住み方調査で明らかになった要件を、現代の大都市戸建て分譲住宅がどの程度満たしているのか検証する調査を行った。 車いすの自立利用実態については、介護保険貸与車いすを対象として、福祉用具貸与事業所の2地域(営業所)における悉皆調査を行った(n=840)。移乗と移動の両動作ともに介助なしに利用している「完全自立」の割合は、75歳以上では「屋内専用」車いすで2割前後であった。同じく「屋内外兼用」車いすでの屋内利用でも、「完全自立」の割合は最大でも2割を超えないものと推定された。大都市戸建て分譲住宅の適合性に関する調査では、住宅情報誌(首都圏版)に間取り図付きで掲載されていた新築物件のうち、4階建て1件を除く341件を対象とした。要支援レベル前後の後期高齢単身世帯の住み方調査で明らかになった基本的住生活ニーズを、「日中の居場所は玄関・台所・トイレと同一階で、それとは別室の寝室はトイレと同一階にあること」と読み替えて、当該条件を調査対象がどの程度満たしているかを検証した。3階建てでは適合率は2%であったのに対して、2階建ての適合率は76%で、とくに2階に寝室を設定することで「できるだけトイレに近い」あるいは「玄関近くを避ける」という今回除外した条件にもより適合する結果となった。
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