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2010 年度 実績報告書

大工由緒書・儀礼書の研究

研究課題

研究課題/領域番号 21560664
研究機関お茶の水女子大学

研究代表者

宮内 貴久  お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 准教授 (10327231)

キーワード大工 / 三輪神道 / 儀礼書 / 由緒 / 建築儀礼 / 呪い歌
研究概要

三輪神道系統の大工儀礼書「番匠十六巻一流之大事」、「日本番匠記」系本の大工由緒書「番匠記」、唯一神道系と推定される「唯一神道上棟次第」の主に三つの儀礼書・由緒書を中心に、その所在調査を全国的に行った。今年度は、佐賀県立図書館、大分県立先哲史料館、福岡県立図書館、山口県立文書館、和歌山県立文書館、京都府立総合史料館、長野県立文書館、秋田県立図書館、弘前市立図書館などで史料調査を行った。総じて九州は近世史料、特に地方文書、大工など職人史料が少ない。
三輪神道系統の大工儀礼書では和歌山県和歌山市の丹生家文書、秋田県秋田市立図書館蔵文書が発見された。丹生家文書は幕末の文書で上棟式以外にも遷座関連の文書など複数の文書が存在し、実際に儀礼で使用されたと推定される。また、秋田市立図書館蔵文書は『番匠秘書』と題されていた。三輪神道の建築儀礼だけでなく、「地判」-「四神相応地」「屋敷二十二相図」など陰陽道書の『〓〓内伝』造屋編の内容が含まれており、近世の大工が必要とされた知識の一端を明らかにする事ができた。
三輪神道以外のものでは、秋田市立図書館、山口県立文書館、弘前市立図書館で史料の所在が確認された。
呪い歌では「霜柱氷の梁に雪の桁雨の垂木に露の葺き草」が火伏せの歌として全国的に分布している。大工儀礼書にも記されており、先述した文書にも記されている。長野県長野市の文書に、上棟式の祝詞に同歌が記されており、大工儀礼書に記された歌が、実際に上棟式という儀礼の場で歌われた事が確認された。このことにより、同歌が口頭で伝承されただけでなく、文字によっても伝承されていた事が明らかになった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 風水ブーム再考2011

    • 著者名/発表者名
      宮内貴久
    • 雑誌名

      比較日本学研究センター研究年報

      巻: 7 ページ: 3-9

  • [雑誌論文] 生活感なき衣食住研究2010

    • 著者名/発表者名
      宮内貴久
    • 雑誌名

      日本民俗学

      巻: 第262号 ページ: 39-51

  • [学会発表] 会津地方の建築文化2010

    • 著者名/発表者名
      宮内貴久
    • 学会等名
      タイ国日本研究国際シンポジウム2010
    • 発表場所
      チュラローンコン大学
    • 年月日
      2010-10-26
  • [学会発表] 胎児観の変容2010

    • 著者名/発表者名
      宮内貴久
    • 学会等名
      日本民俗学会
    • 発表場所
      東北大学
    • 年月日
      2010-10-03
  • [備考]

    • URL

      http://www.aesthe.ocha.ac.jp/miyauchi/

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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