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2009 年度 実績報告書

四国における戦前期の古社寺建造物の修理に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21560669
研究機関高知女子大学

研究代表者

三浦 要一  高知女子大学, 生活科学部, 准教授 (70305803)

キーワード建造物保存 / 文化財修理 / 国宝保存法 / 修理報告書 / 保存図 / 讃岐国分寺本堂
研究概要

平成21年度は,香川県高松市国分寺町に所在する国分寺本堂を事例に研究をおこなった。国分寺本堂は昭和13年9月の大暴風雨によって屋根の一部が破損し,解体修理が昭和16年2月に起工し,昭和18年8月に竣工した。「國寳建造物國分寺本堂維持修理報告書」は昭和修理に関する貴重な資料であり,竹口富太郎が主任技術者を担当し,起工後に現状変更が許可されていたことが判明した。本堂は天正年間の兵火を免れた旧講堂であることが伝わり,天平時代の講堂跡に旧礎石を転用して建立されていた。昭和修理における痕跡調査では近世に小屋組と妻飾が改造され,内陣に須弥壇と厨子を新設したことが明らかとなった。内陣は斗〓と蟇股によって天井を引き上げて棹縁天井に改めていた。寛文年間には向拝を附加し,内外陣境装置は飛貫上に欄間彫刻を設け,間仕切装置を改造したことが墨書から判明した。昭和修理における現状変更の要旨の全容が明らかになり,修理前実測図にどのような現状変更がおこなわれていたかを明示した。現状変更では外部の側廻りの飛貫,胴貫,足固貫の各貫成,連子窓,縁側の高さを痕跡にもとづいて復原した。寛文年間に附加された向拝は撤去し,木階段を石段に改めた。内部は寛文年間の造営による内外陣境装置に加え,内陣両入側境,後陣境,来迎柱,外陣天井,内陣天井を痕跡にもとづいて復原した。連子窓,鬼瓦,側入口の桟唐戸,内外陣境の格子戸と菱欄間の現状変更には,類例調査が実施されていた。しかしながら,小屋組と妻飾は近世の改造であったが現状を踏襲して修理され,須弥壇と厨子は近世の新設であっても現状の通りとされた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 讃岐国分寺本堂の昭和修理にみる修理歴に関する研究2010

    • 著者名/発表者名
      三浦要一
    • 雑誌名

      2009年度日本建築学会関東支部研究報告集II 80

      ページ: 537-540

  • [雑誌論文] 讃岐国分寺本堂の昭和修理における現状変更に関する研究2010

    • 著者名/発表者名
      三浦要一
    • 雑誌名

      2009年度日本建築学会関東支部研究報告集II 80

      ページ: 541-544

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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