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2009 年度 実績報告書

近代日本住宅史における「田舎」への志向に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21560677
研究機関常葉学園大学

研究代表者

土屋 和男  常葉学園大学, 造形学部, 准教授 (60333259)

キーワード建築史・意匠 / 近代和風 / 田舍家 / 益田鈍翁 / 仰木魯堂
研究概要

1、高橋箒庵による『昭和茶道期』等の茶会記録に基づき、さらに同時代の文献もあわせて参照しながら、「田舎家」に関するリストを作成するとともに、論考を発表した。ここでは「田舎家」を「価値づけられた民家」ととらえ、「価値づけられた景観」としての「風景」と類比することによって、「田舎家」の意味を考えた。この場合、「田舎家」と「風景」はともに、既に存在したものに、新たな文化的視線が作用して、価値が付与されたものである。「田舎家」は「価値づけられた民家」であるが、近代数寄者たちは「民家」とは呼んでいない。「民家」という語が現代に通じる意味で使われはじめた大正期の、民俗学的な視線からの研究の開始と、近代数寄者らによる「田舎家」への関心とが、「同時代に発生していることは注目に値する。このように論考を進めたが、しかし「田舎家」の定義等について流動的な点が残されており、次年度も引き続き精査を進める。
2、当初の予定になかったこととして、三菱グループ総理事であった木村久寿弥太が建設したと見られる別邸を調査する機会を得て、これを本研究の一部に組み入れた。これは和洋を調和させた小住宅風の外観で、いわゆる「田舎家」とは姿が異なるが、その立地から見て「田舎」への志向を現す事例であり、本研究においてはこうした姿のものも射程に含む必要性を認識した。今後「田舍」への志向の系譜を考える上で、イギリスのカントリー・コテージ等、海外からの影響も含めて見てゆく必要がある。
3、益田鈍翁小田原別邸・掃雲台の敷地、建築物、景観の復元的考察について、基礎調査に着手した。この調査は引き続き継続する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 「田舎家」の風景 多文化的状況を通して発見された民家の価値2010

    • 著者名/発表者名
      土屋和男
    • 雑誌名

      常葉学園大学研究紀要・教育学部 第30号

      ページ: 67-89

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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