わが国の住宅建築のうち、中世における上層民家を研究し、それが発達した場所である中世都市の発達過程を分析する方法を発見した。上層民家に住む地頭や富裕な商工業者は、経営のための接客を行うデイと呼ばれる部屋を必要としたが、それが座敷(和室)に進化したのとは別に、板敷の出居を中心的な部屋とする住宅形式が上層民家の特徴であることが判明した。また、中世都市において町家が発達したが、両者はともに「間」と呼ばれる測定寸法を使用し、「間」は7尺から6尺へ短くなった。このことから、中世に形成された都市街区は、測地尺を分析することで造成時期を推定することが可能であることが判明した。
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