研究課題/領域番号 |
21560687
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
森村 隆夫 長崎大学, 大学院・生産科学研究科, 助教 (30230147)
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研究分担者 |
羽坂 雅之 長崎大学, 工学部, 教授 (30039698)
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キーワード | 熱電変換材料 / ゼーベック係数 / 無次元性能指数 / 透過型電子顕微鏡 / ALCHEMI / STEM / 熱伝導度 / 電気伝導度 |
研究概要 |
◎ ミスフィット酸化物Ca_3Co_<4-x>M_xO_<9-δ>試料にMとしてFe、Na、Mg、Zn、Tiを添加し、x=0-0.5の組成で作製した。X線回折実験の結果、どの試料もミスフィット酸化物相が支配的であり、xが大きくなるとわずかに不純物相が生成した。X線リートベルト解析により、ミスフィット酸化物相の格子定数はx=0.1付近までxの増加とともに単調に減少するが、そこを超えると複雑な変化をした。このことから添加物の固溶限がx=0.1付近であることが予測される。 ◎ 透過型電子顕微鏡実験により、ミスフィット酸化物相は数μmの結晶粒から成っており、結晶粒内には多くの双晶構造が存在することがわかった。 ◎ ミスフィット酸化物Ca_3Co_<4-x>M_xO_9-(M=Fe、Na、Mg、Zn、Ti)試料に対して、ゼーベック係数、電気伝導度、無次元性能指数ZT、熱伝導度の測定を行った。M=Na、Znにおいて、固溶限x=0.1付近までxの増加とともにゼーベック係数、電気伝導度には大きな変化は見られなかったが、熱伝導度が減少し、その結果無次元性能指数ZTが増加した。添加元素のCoO_2層への置換効果が現れたものと考えられる。 ◎ ミスフィット酸化物Ca_3Co_<4-x>M_xO_<9-δ>に対するTEM-ALCHEMIプログラムを作成し、添加元素が置換した場合の特性X線の回折条件依存性について計算を行った。Bloch波法によるSTEM像プログラムを作成し、その成果を査読つき英語論文として発表した。
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