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2011 年度 実績報告書

核生成制御による新奇なガラス相/結晶相コンポジット磁性材料の創製

研究課題

研究課題/領域番号 21560690
研究機関秋田県立大学

研究代表者

尾藤 輝夫  秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (40315643)

キーワード構造・機能材料 / 結晶工学 / 金属物性 / 磁性 / 電子・電気材料
研究概要

B_2O_3フラックス処理による結晶相析出のメカニズムを調べるため,走査型電子顕微鏡を用いて析出結晶相の形態等の観察を,そしてエネルギー分散形X線分光による組成分析を行った。析出した結晶相は,フラックス鋳造材(フラックス処理を行った直後に鋳造),フラックス未処理材共に,α-Fe(-Si)相とFe_2B相であることが,組成分析の結果により確認された。しかしフラックス未処理材では,結晶相からAlやCaなどの不純物元素も同時に検出されており,結晶相はこれらの酸化物などによる不均質核生成により,主として試料表面付近に析出していることが確認された。それに対しフラックス鋳造材では,フラックス処理により不均質核生成サイトとなる酸化物などが除去された結果,結晶相は主として均質核生成により試料内部に析出するものと考えられる。
また結晶相の析出個所及び析出量と,磁化曲線の形状との関係を調べた結果,試料表面付近に結晶相が析出した場合(フラックス未処理試料の特徴)では,ガラス単相試料と類似した磁化曲線しか得られないことが確認された。それに対しフラックス鋳造材では,結晶相の析出量が少量であっても透磁率が大幅に低下し,恒透磁率特性が発現することが確認された。同時に,結晶相の析出量が増えるに連れて,透磁率の低下が緩やかになり,保磁力が著しく増加することも判明した。
またフラックス鋳造材に熱処理を施すと,保磁力はほぼ一定のまま,恒透磁率が得られる磁場の範囲が広がることが確認された。前述の結晶相の析出個所や析出量と磁気特性との関係を合わせて考えると,結晶相析出による透磁率低下のメカニズムは,析出結晶相に起因する内部応力ではなく,析出結晶相による磁壁移動のピン止め効果によるものだと考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Partial Crystallization and Soft Magnetic Properties of Fe-B-Si-Nb Bulk Metallic Glass by B_2O_3 Flux melting and Copper Mold Casting2012

    • 著者名/発表者名
      T.Bitoh, S.Izumi
    • 雑誌名

      World Journal of Engineering

      巻: 9(印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Fe-Based Soft Magnetic Bulk Metallic Glass with Flat Hysteresis Curves2011

    • 著者名/発表者名
      T.Bitoh, S.Izumi
    • 雑誌名

      World Journal of Engineering

      巻: 8 ページ: 121-122

    • 査読あり
  • [学会発表] フラックス処理によるFe基金属ガラスの透磁率制御に関する研究2011

    • 著者名/発表者名
      泉翔悟, 尾藤輝夫
    • 学会等名
      日本金属学会2011年秋期(第149)大会
    • 発表場所
      沖縄コンベンションセンター
    • 年月日
      2011-11-07
  • [学会発表] Fe-Based Soft Magnetic Bulk Metallic Glass with Flat Hysteresis Curves2011

    • 著者名/発表者名
      T.Bitoh, S.Izumi
    • 学会等名
      19th An.Int.Conf.on Composites/Nano Engineering
    • 発表場所
      Shanghai, China
    • 年月日
      2011-07-26

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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