研究概要 |
電気化学析出法(めっき)により作製した遷移金属系のアモルファスおよびナノ結晶膜の物性と微細構造とに関する基礎的研究ならびに応用研究として高信頼性の磁気トルクセンサーへの応用を目的とした。今回は、遷移金属膜としてCo膜とFe-Ni合金膜を対象とした。 当初提出した研究実施計画に従い、実施した内容を述べる。 1) 電気化学測定に基づく適正な膜作製条件の決定(研究開始後1-2ヶ月) 析出時の電位、pHまた電気化学透過法などの結果を総合して、Co, Fe-Ni両膜において、プロセス、物性、構造などの安定性の高い作製条件を決定した。 2) XRD, SEM, TEMによる構造観察(研究開始後8ヶ月) Co, Ni-Fe両析出膜の結晶構造と膜組成(合金組成・水素濃度)との関連性を明らかにした。 3) GDDES, TDSによる水素の定量と存在状態の決定(研究開始後3-10ヶ月) 上記の遷移金属膜の微量な水素量を定量すると同時に金属格子中での存在状態を検討した。 4) VSM,磁気天秤による磁気特性の測定(研究開始後6-10ヶ月) 上記の遷移金属膜の磁化曲線の測定から、結晶構造や結晶粒子径と保磁力の関連性を明らかにした。 5) トルクセンサーへの応用については、現在検討を進めつつある。
|