研究概要 |
22年度については、チタニアを基材とする二元細孔構造を有する多孔体にNiを担持した触媒を作製して、その触媒担体としての有効性の検証を進めた。Ni/TiO2触媒とNi/SiO2触媒について、ゲル形成から焼成・還元過程について構造形成過程を解明し、担体の違い、作製法の違いによってNi分散性を制御できることを明らかにした。本成果により、今年度の招待講演の依頼を頂いた。また、Ni/TiO2触媒の水素化活性を調べ、Ni/SiO2と同じく、C=CとC=Oの二重結合の水素化能において高いC=C選択性を示すが、速度論的な解析を行うと、Ni/TiO2において、C=C水素化とC=O水素化の速度費が小さくなることが明らかになった。 シリカゲルに有機高分子を複合化した材料を作製し、その構造制御と触媒活性評価を行った。二元細孔シリカの細孔内でスチレンの重合でポリスチレンを作製する際に、溶媒の種類と量によって、生成するポリスチレンのマクロ孔-メゾ孔の分布状態の制御を可能にするとともに、スルホン基を導入することでブレンステッド酸性を有する固体触媒を作製できた。ポリスチレンの担持量とともに複合体の強度が増加し、また、マクロ孔内のモルフォロジーも制御できた。こうして作製された複合体にスルホ基を導入した新規イオン交換性有機無機複合体は、1,4-ブタンジオールからのテトラヒドロフランへの選択的脱水反応において、非常に高い活性を示すことが確認できた。 また、Ni/A1203触媒を新規に合成することに成功し、メタンの水蒸気改質において優れた活性を示すことを明らかにした。
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