研究概要 |
(1)新規なアナターゼ型結晶ScTiNbO_6 水溶液プロセスを用いて新しい結晶化合物・固溶体組成に基づく機能性ナノマテリアルの創製について検討した。生成物の結晶相の同定には,X線回折装置を使用し,透過型電子顕微鏡を用いて微粒子の粒子径・形態を観察した.また生成した試料のBET比表面積,拡散反射スペクトル,光触媒能などを測定し,アナターゼ結晶の相安定性を評価した.その結果,広範な固溶領域を有するニオブとスカンジウムを固溶したアナターゼ型酸化チタン(Ti_<1-2x>Nb_xSc_xO_2)ナノサイズ粒子が直接合成することを明らかにした。これら得られた結晶は大気中の加熱により系外に副成分の生成を伴わず,ニオブとスカンジウムを固溶した単一相のルチル型固溶体結晶へ相転移した。またTiO_2に対する異種元素の置換量を増大させていくと,格子定数,光学的バンドギャップなども組成変化に対応して連続的に変化し,モル比で1/3しかTi成分を含有しない単相の新規なアナターゼ型結晶微粒子ScTiNbO_6が水熱条件下で直接合成した。 (2)新規なスリランカイト型結晶ScTiNbO_6 この新規なアナターゼ型結晶ScTiNbO_6は大気中の加熱により,ルチル型結晶へは相転移せず,スリランカイト類似構造をもつほぼ単一相の新規な結晶組成物へ相転移することを見出し,その格子定数,光学的バンドギャップなどを明らかにした。
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