研究概要 |
23年度実施計画に基づいて研究を遂行し多くの成果をあげることができた。 1.ユニークな一次相転移のメカニズム解明、層状ペロプスカイトBaLn_2Mn_2O_7の相転移 今年度はTbについて低温~高温までのその場観察を行った。その結果、層状ペロブスカイト特有の一次相転移が起こり、イオン半径と構造ひずみにより相転移時間と関連性があることを明らかにし、日本セラミックス協会年会(2012年3月)にて発表をした。 2.ペロブスカイト酸化物の合成と構造および相転移の解明 (Sr_<0.67>Ln_<0.33>)(Mn_<0.33>Ti_<0.67>)O_3(Ln:rare erath)をAr雰囲気下で合成し、単相を得ることができた。La以外では斜方晶Pnmaを有する結晶構造であった。多くのナノサイズのドメイン形成が観察され、冷却過程内での構造相転移の可能性が示唆された。このため高温TEMによる相転移をその場観察した。今回のように、電気伝導度データには現れないような微小回転に基づくものについては,高温TEMによる電子回折法の精度の高さを実感した。これらはECERS XII国際会議(2011年)にて報告した。' 3.Li-Nb-Ti-O系固溶体の作製と新規機能発現の試み この固溶体がある組成域でM-相と呼ばれる周期構造(超構造)を形成し、電気炉では1100度24h以上でしか均質化しなかったものを、24GHzのミリ波照射加熱により1000度1hで合成することに成功した。さらにこの組成・構造を利用して、ミリ波照射加熱により短時間で蛍光体材料を合成することができた。これらは、国際会議での招待講演(2011年)ほか学会発表、論文にまとめることができた。 4.その他、機構解明に関する研究.
|