研究課題
本研究では、低電流密度なスピン注入磁化反転素子を開発目標とする。スピン注入磁化反転の効率向上には、材料性能の向上、電極構造の最適化が重要である。電極材料には、スピン分極率がほぼ100%でハーフメタル特性を示す、強相関酸化物磁性体を用いる。電極構造の最適化は、実際に強相関酸化物磁性体電極を作製し、スピンSEMで直接観察することにより進める。最終目標であるスピン注入磁化反転素子の開発においては、効率的な動作のため、磁化方向制御可能な、微小接合の作製が求められている。この要求を満たすために、サブミクロン寸法素子を作製するための作製技術、電極内の磁化方向やその制御を評価する評価技術が重要である。平成22年度においては、昨年度に引き続き、スピン注入磁化反転素子開発のための基礎技術を開発する。電極材料には、強相関酸化物であるLa_<1-x>,Sr_x,MnO(x=0.4、以下LaSrMnO)を、パルスレーザー蒸着法にて、SrTiO_3基板上に成膜した薄膜(50nm)を用いた。微細加工は、まず、電子ビーム直接描画法でレジストパターンを形成、その後、Arイオンエッチングでメサ構造への加工を行ない、200nm×160nm程度のレジストパターンを得ることができた。引き続き、このレジストパターンに対し、Arイオンミーリングを行い、メサ構造を作製できることを確認した。更に、電子ビーム直接描画法と組み合わせる、フォトマスクの検討・設計を行なった。
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APPLIED PHYSICS LETTERS
巻: 97 ページ: 142110-1-142110-3