研究概要 |
本研究の目的は,リラクサー強誘電体などの巨大強誘電物性機能について,その原子レベルでの構造解析と機能発現メカニズムを解明することを目的とし,高精度の第一原理計算と高精度実験を組み合わせた包括的な研究を実施し,巨大な強誘電物性のメカニズムを解析,解明することにあり,提案者らは,本研究2年度である,平成22年度に巨大強誘電物性発現メカニズムの解明に必要不可欠な「強誘電体における局所的ゆらぎ(構造・組成)解析手法の開発」を中心的課題に設定し,【第一原理計算によるラマン散乱スペクトル解析手法の開発】,及び【大規模分子動力学シミュレーションソフトウエアの開発】につき重点的に検討を行うことを計画し,実行した.平成22年度の取り組みにより,有限温度での大規模分子動力学シミュレーションに関してその開発に目処をつけることができた.最終年度である本年度に完成させ,BaTi03などの強誘電体材料の有限温度物性について研究を行う予定である. 【第一原理計算によるラマン散乱スペクトル解析手法の開発】 初年度の取り組みにより,第一原理計算による誘電体材料のPhonon計算については,LO-TO分裂を考慮しない直接法による計算技術については概ね確立することができた.平成22年度においては,CdTi03などの強誘電体のラマン散乱スペクトルの詳細な解析にこれらの技術を適用して,実験スペクトルの解釈・解析に取り組んだ.これらの成果については,現在,発表,論文投稿準備中である.
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